日本の宿泊業をイノベートしていく「星野リゾート」

軽井沢に温泉旅館を開業してから100年を数え、いまや全国に「星のや」「界」「リゾナーレ」等のホテル・旅館ブランドを展開する星野リゾート。

これまで「リゾート運営の達人」を標榜してきた同社は、今年から経営方針を「ホスピタリティ・イノベーター」に変更した。まさしく、日本の宿泊業をイノベートしていくというミッションの表れだろう。

2015年秋、星野リゾートがイノベーターの本領を発揮するような宿を開業する。これまでにない形態の宿は、ブームではなく、おそらく根本から日本の宿業界を揺るがしていくことだろう。これに刺激され、日本中の宿が、新たなステージに入っていきそうな気配がする。

星野リゾートだけが旅館チェーンではない。業界のあちこちでイノベーションが起きる時代を創っていけば、宿業界もまだまだ発展することだろう。「ぜひ、そうなって欲しい」と語る星野社長にも話を聞いた。

 

グランピングリゾート「星のや富士」2015年10月30日開業

富士五湖のひとつ、河口湖を見下ろす林のなかに「丘陵のグランピング」をコンセプトにした「星のや富士」が10月30日に開業する。

 
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グランピングリゾートとして開業する「星のや富士」


グランピングとは、「グラマラス」と「キャンピング」を合わせた造語で、リッチなキャンプを楽しむスタイルが数年前から世界的な潮流となり、話題となっている。星のや富士では、贅沢感のある、冒険心くすぐるキャンプ滞在を提供するリゾートを準備中だ。

グランピングやキャンプ体験プランは、白山麓「一里野高原ホテルろあん」や白馬「ホテル五龍館」も今夏取り組むが、通年・全館でグランピングのできる40室の宿とはスケールが大きい。日本のレジャー市場のグランピングに火をつけることになるだろう。

星のや富士をひと言で言えば「キャンプのいいとこ取り」。星のやブランドのもと、キャンプという非日常空間を味わえる全く新しいリゾートができあがる。

富士山を背にアプローチを登って行くと、まず現れるのが、丘の上に並ぶキャビン(客室棟)。全ての客室スペースの4分の1は屋外のテラスリビングだ。夜はテラスの火を眺め、朝にはテラスで朝食を採ることもできる。4分の3のスペースは快適なベッドルームだ。

キャビンを奥に進むと大きな屋根のカフェとグリルダイニング。ダイニングでは、シェフが熱々のグリル料理をコース仕立てで用意してくれる。

 
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ダッチオーブンを使ったグリル料理を楽しめる


そして、グリルダイニングの奥の赤松林に広がるのが、クラウドテラスエリアと呼ばれるキャンプサイトだ。天気のよい日にはダイニングを抜け出し、焚き火の炎を見ながらドリンクを片手に夜の静寂を愉しむのがいい。クッキングスタッフが、4種類のダッチオーブン料理をここで仕上げてくれる。熱々の料理をつつきながら話も弾み、きっとワインボトルもあっという間に空いてしまうだろう。夜空に輝く星や焚き火の炎を感じられるように、照明は最低限に抑えられている。

食事が終わったら、足もとに気を付けながら、キャビンに帰ろう。キャビンにいつでもドリンクや軽食をオーダーできるインルームダイニングも用意されている。眠る前に、キャビンのテラスリビングでもう一杯。