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「国境の宿」に泊まる。(3ページ目)

島国に住んでいると国境がないように感じてしまう。そんな時、日本の国境に泊まってみよう。

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド

プサンの灯が遠く輝く「対馬」に泊まる。

対馬からプサン方向のライブカメラ
2006年7月9日21時のライブカメラ画像。冬にはもっときれいに見えるとか。
日本書紀の古代から、もっとも長い国交を築いてきたのが、現在の韓国と中国。その韓国のプサンの夜景を、日本から望めるのをご存じですか。
それは、対馬から。日本で外国の街の夜景が見えるのは、この対馬だけ。現在の景色は、こちらのライブカメラで。
対馬は南北に長い島。正確には、二つに分かれていますが、橋で結ばれています。南からの暖流、対馬海流に洗われ、魚介は豊富。島で採れたサザエや魚を独特の黒い平板な石に載せ、焼いて食べる豪快な漁師料理「石焼き」が島の名物になっています。
そして、対馬とプサンの間には、韓国のデア高速海運により定期ジェットフォイルが運航され、韓国の旅行者も数多く対馬を訪れています。プサンから90分。7,500円ですから、福岡から来るより近くて安いのがわかります。
しかし、対馬ならよいのですが、韓国旅行者に今人気があるのは「独島」。日本名「竹島」です。
同じジェットフォイルで、対馬に、独島にと、韓国旅行者の好奇心はとても旺盛です。竹島問題については、よくわかる政治ガイドの辻さんに解説してもらうことにしましょう。
ところで、対馬の最北部には、韓国展望所という韓国式に模した展望台があり、ここや西海岸の棹崎公園から、よく晴れた日に、50km(瀬戸内海をはさんだ山陽と四国並み)しか離れていないプサンの夜景や街影が望めます。目の前の海栗島には、丸い航空警戒管制レーダー。そう、ここは国境なのです。

上対馬荘
上対馬の高台に建つ上対馬荘。比田勝港にも、展望台にも、ビーチにも近い。
対馬には、個性的なホテルや民宿がたくさんあり、最北端の豊村落にも民宿がありますが、対馬最北部に位置する国民宿舎「上対馬荘」が一般的でしょう。
暖流が運んできた熱帯魚も泳ぐマリンブルーの海も目の前。韓国の夜景が眺められる展望所まで、車で10分。国境に最も近い国民宿舎です。
さて、あなたは、どの国境に足を運んでみますか。



上対馬荘
住所 長崎県対馬市上対馬町西泊390
電話 0920-86-3120
地図 Yahoo!地図情報
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