老若男女誰もが平和を祈願する

三宝院の廊下
凛とした空気が漂う院内。それでも浴衣で滞在可能だ。
「同行二人」。四国四十八ヶ所のお遍路をまわった方々が、弘法大師への御礼参りに訪れるのが、世界遺産「高野山」。
「山上伽藍」とも称される雲上の別世界の町には多くの方々が訪れますが、その際はぜひ二泊以上して、密教の聖地や仏教美術を見学しながら、束の間の安息日を過ごされることをお勧めします。

その宿泊先となるのは、数々の宿坊です。私が投宿したのは「花の寺」とも呼ばれる高野山別格本山「三宝院」。
弘法大師空海のご母公ゆかりの古刹で、御前が修行中の大師を想い、ツメで米を剥いて造ったといわれる「つまむぎの酒」をいただくことができます。通常、仏界では酒は五戒のひとつですが、酒とは言わず「般若湯」といって宿坊宿泊者は有難い酒を楽しめるのが嬉しい!
三宝院は、客間も多く、本堂以外の院内は浴衣で滞在もでき、中国麦飯石のお風呂は24時間入浴可能。春はヒメシャガ、秋には紅葉が見事な庭園を眺めつつ、民宿同様、誰もが快適に過ごすことができるので安心です。
院内では、修行僧が全てを案内してくれ、名物の胡麻豆腐の付いた精進料理も部屋まで運んでくれます。全て手作りであることはもちろん、釜で炊かれたご飯が美味しいのにびっくり。
三宝院の本堂
飾り灯篭が頭上に光る。幻想的な本堂の光景。
真言宗三宝院は、檀家を持たない「祈願寺」で、全国に信者を抱えています。そのため、参拝者は誰でも、任意でその時々の祈願(家内安全ほか、何でも)をすることができ、夕食時に祈願(3,000円程度の寸志が必要)の申込書が渡されます。
その参拝者の「祈願」を兼ねたお勤めが、翌朝6時から本堂で催されるので、着替えてぜひ参加してみてください。
高野山独特の、無数の「飾り灯篭」が天井からぶら下がる荘厳な本堂で、焼香を捧げ、読経の途中、ご本尊である重要文化財「北面大師」を拝みにいきます。最後に、それぞれの祈願が仏前に手向けられ。お勤め終了。

音まんだら
05年中秋の名月コンサート「音まんだら」。
この三宝院の飛鷹住職は、戦地の「地雷除去」を通じた世界平和を祈願し、アジアの国の方々との国際交流も行っておられます。
その一環として、年に一回、中秋の名月コンサートを境内で開催しており、05年は9月17日(土)にギタリスト、クロードチアリをゲストに、仏教音楽、高野山南山進流「声明(しょうみょう)」とのコラボレーションコンサートが催されます。
月夜の宿坊で、ギターと声明のコラボレーション。なんて、幻想的なのでしょう!
・・・「宿坊」とは、自己をみつめ、祈り、そして仏教文化に触れることのできる、貴重な宿。
さあ、皆さんも泊まりにいきませんか!?


曹洞宗福王院「正覚寺」
埼玉県飯能市上名栗2326
042-979-0235
西武新宿線飯能駅・JR八高線東飯能駅からバスで約60分。
宿泊坐禅6,500円(税別)、写経1,000円
地図 Yahoo!地図情報
高野山別格本山「三宝院」
和歌山県伊都郡高野町高野山580
0736(56)2004
南海電気鉄道高野線極楽橋駅で南海高野ケーブルに乗り換え、
終点高野山駅下車。奥の院行きバスで約10分、蓮花谷下車徒歩1分。
一泊朝食付き9,450円(消費税込み)~
地図 Yahoo!地図情報
※座禅・宿坊情報
座禅・写経で心の癒しを from All About 癒しの旅
宿坊研究会
朝日マリオン「自分と向き合う座禅体験」

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。