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宿選びで後悔しないために。 旅館料金のカラクリ

旅館の一泊二食料金は4つの要素で構成されています。安くなるには、それなりの理由が・・・。

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド


旅館料金4つの要素
旅館料金は、4つの要素で構成されています。安くなるには必ず何かが欠ける理由が。
もうすぐ、夏休み。
「今年は温泉旅館に行きたいなあ。」
「休みの取れる8月中旬の土・日の泊まりで、建物が新しくて、部屋が広くて、サービスが良くて、食事も美味しくて、お部屋出しで、一泊一万円以内の宿がいいなあ!」
・・・と思って、一生懸命温泉旅館を探す方、多いことと思います。
でも、ちょっと待って。
そんな都合のいい宿はあるのでしょうか!?
海の目の前のお宿!食事はお部屋でご用意!
平日大人お一人様1万円!

なんて、広告に飛びつく前に冷静に「旅館料金のカラクリ」を考えてみましょう。
旅館の料金とは、大別して次の4つの要素から成り立っています。
(1)建物やお部屋など「施設」にかかる料金
(2)サービスする「人」にかかる料金
(3)広告など「営業」にかかる料金
(3)夕食と朝食、「食事」にかかる料金
そして、それぞれが一泊二食料金の4分の一ずつを構成していると思ってください。
そして大切なのは「安くなるには必ず理由がある」という事実。
これを忘れて飛びつくと、酷い目に遭うかもしれませんから気をつけて。
例えば、上記の「1万円」の例。
「海の目の前のお宿」。といっても、建物は新しいとは限りません。全景写真が載っていなければ、相当古いということもあり得ます。その場合、「施設」にかかる料金は高くないという可能性が大。さらに「施設」にかかるコストとは固定費ですから、オフシーズンや平日にはぐんと安くすることが可能。「平日に限り」ということは、この1万円のなかには、「施設」の料金はあまり含まれていないと判断することができます。
しかし、「お部屋食」と書いてあります。お子様連れなどはお部屋食希望の方が多いのですが、お部屋食には、実は相当のコストがかかります。いつ来るか、いつ食べるか、いつ寝るかわからないお客様のためにずっと一日待機しているのですから。つまり、この例では「人」にかかる料金は大きいといえます。
この例では、「施設」の料金をゼロと換算して、およそ1万円のうち「人」にかかる料金が3分の一、「営業」が3分の一、残りが「食事」の料金、とざっくり考えることができます。
さらに広告も出さず、旅行会社にも出していなければ、上記の営業経費がなくなります。
この例の場合、ネットで自社販売ということと仮定して、この費用はゼロで考えてみます。
残るは、「食事」の料金ですが・・・。
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