旅館/宿・旅館関連情報

時間消費を楽しむ大人のための新カテゴリー 「スロースタイル旅館」の誕生

一泊から滞在へ。豊かな日常を脱して、大人の休日を愉しめる”スロースタイル”の温泉旅館が05年誕生します。

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド

05年に生まれる旅館の新カテゴリー

星野エリア「トンボの湯」
新カテゴリー旅館は、森の中で滞在するコンセプト。
「スロースタイル」。
それは、観光の合間の慌しい一泊温泉旅行ではなく、少し長めの休暇をリゾートに”滞在”して過ごす。そんなスタイルを指します。
少し前に、「おこもり系」とか「デザイナーズ旅館」といわれる、「露天風呂付き客室」や「ローベッドルーム」が特徴の、隠れ宿がブームになりました。しかし、そうした宿にまだ感じられなかったのが「スロースタイル」。
どちらかというと、「おこもり宿」に関しては「平凡な日常に刺激が欲しくて出かける」目的が主流だったと思います。刺激という「非日常性」を求め、一泊しに行く。そんなスタイルだったと思います。
一方、スロースタイルの宿は、「忙しく豊かな毎日から脱出したくて出かける」。つまり、癒しという「脱日常性」を求め、しばらく俗世から離れに行く。そのためには、宿に滞在し、目的もなく過ごし、自然のなかで人間性を回復していく。そんな、スタイルと定義したいと思います。
スローに過ごすためには、いくつかの条件があります。
軽井沢キュイジーヌ
新カテゴリー旅館では、腹八分目がちょうどいい。
朝晩と、あの決まりきった時間に出されるヴォリュームの多い会席料理はご勘弁願いたい。一泊ならまだしも、二連泊あの料理を食べられる人はそう多くはありません。
客室は、プライバシーを守られる空間であって欲しい。スタッフはあくまでパブリックスペースできびきびと動き、易々と客室には入ってこないこと。かと言って、安い「おこもり宿」のように、スタッフがまるでいないということもあってはいけません。
そして、本物を提供すること。安いだけが旅館の価値ではありません。多少値が張ったとしても“地”と“旬”を意識した本物を提供すること。そして、安さを魅力に来る客を拒み、本物の寛ぎを提供して欲しいと思います。
そんな、新しいカテゴリーの宿がいよいよ今年登場し始めます。それでは、スロースタイルの宿をご紹介します。その一軒目は次ページ
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