「日本一」。この言葉に惹かれるのは桃太郎ばかりではありませぬ。
「日本一」の宿に泊まる。そんなテーマをもって旅をしてみてはいかがでしょう。いろいろな日本一の宿をご紹介します。
【1ページ】プロが選ぶ日本一の旅館 「加賀屋」
【2ページ】お客様が選ぶ日本一の宿
「御宿かわせみ」「柳生の庄」「旅亭半水盧」
【3ページ】日本一広い露天風呂、日本一標高の高い宿、日本一安い宿
■プロが選ぶ日本一の旅館 和倉温泉「加賀屋」(石川県)
贅を尽くした大型旅館、加賀友禅を見ながら昇るエレベーター、食事を運ぶ巨大コンベアー。加賀屋というとそんな「すごく贅沢な設備」を思い浮かべる方が多いと思います。「なんとなく贅沢趣味で嫌ね」という声もささやかれるこの加賀屋は、旅行会社の社員など全国の旅のプロの投票で、なんと21年連続「日本一」。
その理由は、加賀屋の接客サービス。今でこそ、何処の旅館でもやるようになり、ちょっと辟易気味の「女将の各部屋への挨拶廻り」。これは加賀屋の先代女将、小田孝さんが始めました。現在ではその意思を引き継ぐのは客室係の皆さん。この客室係のサービスが日本一と評される所以なのです。
「かゆいところに手が届く」経験は、私も何度かしています。例えばある日、夕食がてら野球を見て、たまに“タイガース”が勝ったので喜んでいました。そうしたら翌朝、特に何も言ったわけではないのですが、日経新聞とともに“デイリースポーツ”が届けられていたのです。して欲しいと思う前にしてくれるサービス。アマンリゾート等の専属スタッフサービスがもてはやされる昨今。その原点は此処にあるような気がします。
でも、加賀屋の強さは、実は見えない部分にあります。それは、彼女たちを支える会社の待遇や福利厚生。例えば企業内保育所「カンガルーハウス」。彼女たちが働いている間(23時まで)、1歳児から小学6年生までの子供たちを十数名の保母さんが献身的にみてくれています。マスコミに売り込んだり、広告すること以上に「社員が安心して働ける環境」を作ることが日本一のサービスを生むという隠れた事実を、旅のプロたちはよく知っているのです。
http://www.kagaya.co.jp/index.html