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■トマトの故郷
今回ご紹介する野生派トマト『狼桃』の、甘いだけではない、旨さと食感と酸味とのバランスに、トマトのイメージが変わります。
トマトの生まれ故郷はアンデス高原。からからに乾燥し痩せた土地 サボテンも育たないほどの悪条件のなかでトマトは生き残りました。つまり、トマトのDNAには強靭な生命力が刻み込まれているのです。
高知県西部、四万十川の中流にある十和村で、この驚異のトマトは作られています。
生産者のDMファーマーズさんは、トマト本来の力を引き出す為に、狼桃に与える水を極限まで絞ります。
その為、成長する速度が遅く、生産効率はとても悪いです。
狼桃は僅かな水分を吸収しようとする為、表面にぎっしりと産毛が生えます。
さらに昼夜の激しい寒暖差が皮を硬く鍛え上げ、果肉部分はトマトが水に沈むほど密度が濃いのが特徴です。
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■トマトの目利き
トマトは表面にたくさんのしわが入った小粒なものほど、甘さや旨さが濃厚です。つまり、小さくて、表面がつるっとしていない、筋張っているトマトが良質です。
厳しい環境でトマトが生命力を発揮すればするほど、空気中の水分までを吸収しようと、産毛が生えます。
また、水分の絞り込みプロセスで表面に縦のしわが入ります。
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普通のトマトをここまで完熟させると、皮が薄くて弱いので、割れたりつぶれたりしますが、狼桃は皮がしっかりしているので、完熟させても大丈夫です。
トマトは野菜の中で唯一、大量のうまみ成分のグルタミン酸が含まれています。また、グルタミン酸は完熟したものほど強いので、この狼桃の旨みが強いのは理にかなっています。
■トマトの食べ方
トマト自体の味が非常に濃厚ですから、そのまま何もつけないで食べるのが一番です。
切ってみると一目瞭然ですが、ほとんど空洞がありません。つまり、全てが果肉状態なのです。かぶりついた時に口中に広がるトマトの香り、かみしめるとはっきりと実感できる旨みと甘みと酸味、トマトの好みは人それぞれですが、私はこのトマトは最高レベルだと思います。
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味の弱いトマトは塩で旨さを引き出しますが、この狼桃は必要ないです。
もちろん、このトマトでサラダやスパゲッティを作れば極上の味になりますが、ポイントは塩とオリーブオイルとビネガー程度のシンプルな調味料で味をつけ、あわせる素材もシンプルにして、あくまでも『主役はトマト』という点を守って欲しいです。
「オテル・ド・ミクニ」や「小川軒」などにもトマトを卸しているDMファーマーズさんの狼桃は、粒の大きさによって18~25個入った小箱で4200円と良い値段ですが、それだけの価値はあります。
■ 取り寄せ情報 ■
DMファーマーズ
電話 0880-28-4995