「富士・はやぶさ」との下関での出会い
東京より長駆14時間30分走り続けてきた「富士」&「はやぶさ」が下関に到着した。EF66形電気機関車の牽引はここ下関駅までとなる。この列車の廃止をもってEF66形が旅客列車を牽引する晴れ姿は見られなくなる |
まずEF66形が客車から切り離される。EF66形は直流専用の電気機関車のため、交流電化の九州では走れない |
EF66形が単独で車両基地へ引き上げる |
到着と同時に、大勢の乗客が降りてきて、ホームは賑やかになった。けれど、彼らは下関で降りるわけではなかった。カメラやビデオを片手に列車の先頭に殺到してきたのだ。そんな動きを無視するように、先頭の機関車EF66は青い客車から切り離され、単独で出発して姿を消してしまった。
代わって関門トンネル専用のEF81形が係員の誘導の下、登場して列車に連結される |
EF81にヘッドマークが付いていないのが残念。まもなく九州へ向けて出発だ |
下関を後にするブルートレイン「はやぶさ」「富士」。前6両が「はやぶさ」(熊本行き)、後ろ6両が「富士」(大分行き)なので、最後尾のテールマークは富士となっている |
8時38分、準備の整った列車は、甲高いホイッスルを鳴らすと、静かにホームを離れた。青い客車が段々小さくなり、やがて視界から消えていく。列車は関門トンネルを潜って、九州へと旅立っていった。
九州に入れば、最初の駅門司で二つの列車に分かれ、さらに別の赤い電気機関車に交替する。それぞれ新たな機関車に牽引されて、前6両の「はやぶさ」は鹿児島本線経由で小倉、博多を通って熊本へ、後ろ6両の「富士」は門司の一つ先の駅小倉から日豊本線に入って大分へ向かう。
乗りたいと思った。伝統ある九州ブルートレインは、2009年3月14日のダイヤ改正を機にまもなく消えようとしている。その最後の乗り納めとして、なんとか九州からの上り列車の寝台券を入手した。
では、いよいよ上り「富士」に乗車しよう。