朝の東海道本線を悠々と走る

藤沢を通過する「富士」「はやぶさ」
終着までもう少し。藤沢(神奈川県)を通過するブルートレイン「富士」「はやぶさ」
浜名湖
朝もやに煙る浜名湖を通過。新幹線の線路と並行して走る
もうひと寝入りして、まどろんでいると「ハイケンスのセレナーデ」のメロディーが流れて朝の挨拶が始まった。列車は夜通し走って定時運転だ。豊橋付近を通過中で30分もしたら浜松到着である。やがて朝もやに煙る浜名湖を渡っていく。まもなく車内販売が始まるとのこと。サンドイッチやコーヒー、お弁当が手に入るらしい。夜の車内販売はなかったから、これは嬉しい。

浜松6時30分着。ここでスーツ姿にアタッシュケースを持った人が降りていく。浜松に帰ってきたのかもしれないが、新幹線に乗り換えて東京へ急ぐ旅慣れた人という可能性もある。9時前に東京駅に着くには、浜松か静岡で乗り継ぐのが便利なのだ。

茶畑
静岡らしい茶畑の脇をのんびり通過
浜松を出ると、天竜川を渡る。古めかしい鉄骨で覆われた鉄橋が物々しい。掛川を過ぎ、牧の原台地の茶畑の中を、カーヴしながらのんびりと進む。静岡を出てしばらくすると、由比の海岸に出る。通路に出て駿河湾を眺めようとするが、朝日がまともに差すのと、並行する道路が邪魔でよく見えない。位置の関係で、右手前方に富士山が見えることがあるようだが、よく分からなかった。


富士山
ブルートレイン「富士」の車内から見た富士山
富士川を渡って、富士に到着する。「富士」が富士に停まるとは面白い。個室に戻れば、進行方向左手に富士山がよく見える。手前には工場や貨物ヤードが続くのが無粋だが、製紙工場が多い所なので致し方ない。

新幹線とは無縁の沼津に停まり、山中に入って丹那トンネルを抜ければ熱海。相模湾の絶景が見える早川、根府川を過ぎれば、東京が段々近づいてくる。陽も高くなり、ちょっと間延びした時間になった9時58分定刻に列車は東京駅10番ホームに滑り込んで行った。

東京到着
東京駅に到着すると、あっという間に機関車は切り離され、一旦、神田方面へ引き上げたあと9番線を通って新橋方で待機して品川への回送運転に備える。朝日を浴びた寝台車は老朽化が目立ち、ちょっと惨めだ
朝日を浴びた青い客車をホームに降りて眺めると、ところどころ剥げていて長年の酷使に疲れ果てたようだった。

車両が引退の時期を迎えているのは誰の目にも明らかだが、夜行列車の存在自体を抹消するのは、どんなものだろうか。工夫とやる気次第では活路は見いだせる気がするのだが、ともあれ「はやぶさ」「富士」の廃止は何とも残念である。

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