ビタミン豊富で体やアタマを元気にしてくれる「豚肉」
私たちの食卓にあがるたんぱく質源として、とても身近な「お肉」。食肉は人間の体に必要なタンパク質や脂質、ミネラル類やビタミン類を豊富に含んでいる、とてもバランスの良い食品。特に豚肉は、日本国内で最も食べられている食肉です。その栄養や調理のコツを知ってもっとおいしく、もっと賢く食材を活用しましょう。豚肉の栄養について
■ビタミンB1豚肉の特徴は、何といってもビタミンB1が豊富なこと。ビタミンB1は水溶性ビタミンの仲間で、糖質のエネルギー代謝に大きく関わっています。ごはんやパンに代表される炭水化物は、体内で消化吸収されてブドウ糖になります。脳細胞や神経細胞はブドウ糖のみをエネルギー源にしているので、とても大きな役割を果たしているわけです。
よくビタミンB1が疲労回復に良いと言われますが、これは筋肉を動かすときに使う「グリコーゲン」というエネルギーがブドウ糖から作られるときにビタミンB1が必要なため。例えば炭水化物を摂取しても、ビタミンB1が足りないと、ブドウ糖はエネルギーになりきれずに「乳酸」に変化して、これが疲労のもとになってしまうというわけです。豚肉のビタミンB1含有量は、ヒレが最も高く、可食部100g中約1.3mg。豚肉をおよそ120g食べると一日の必要量が確保できます。
■内臓もビタミン豊富で美容に効果的
食肉の内臓、特にレバーにはビタミン類が豊富ですが、豚のレバーはその中でも含有量が豊富。特にビタミンAやビタミンB2は群を抜いています。一般的にビタミンAというと、野菜などの植物性食品ではベータカロチンの形で存在し、体内で必要な時にビタミンAに変化しますが、レバーは動物性食品なのですでにビタミンAの形で存在しているためにすぐに吸収して素早い効果が期待できます。ちなみにビタミンAは「目のビタミン」とも言われ、目の健康に深くかかわる栄養素。その他皮膚や粘膜の細胞の正常な分化を促すことから、美肌など効果があるとされています。
ビタミンB2は、摂取した資質を体内でエネルギーに変える代謝作用が優れていて、ビタミンAと同じように皮膚や目の健康を保つ役割を果たします。
【取材協力および資料提供】 財団法人日本食肉消費総合センター