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ひなまつり・桃の節句 その起源とは

3月3日は桃の節句・雛祭り。この行事の由来やそれにまつわる食べ物について、ひなまつり向けの料理などをご紹介します。

執筆者:野上 優佳子

年中文化と食文化-ひなまつり


【INDEX】

ひなまつりの起源

雛祭りの食材1【蛤(はまぐり)】

雛祭りの食材2【菱餅(ひしもち)】

雛祭りの祝い膳-冷泉家のひな膳

ひな祭りのパーティーレシピ


 ひなまつりの起源 


雛祭りの起源は、中国の「曲水の宴」という厄除けと不浄をのぞく目的の行事と、日本古来の「祓え(はらえ)」(罪や不浄を清める信仰)が習合したもの。

元々は紙人形などに穢れ(けがれ)を移して船に乗せて川に流すのが風習で、今でも鳥取や京都で「流し雛」という行事が残っています。

現在のような「飾り雛」の形になったのは、江戸時代。徳川家康の孫娘「東福院」が、自分の娘、興子(おきこ)のために作った座り雛がはじまりとされているようです。

 雛祭りの食材1【蛤(はまぐり)】 


だじゃれのようですが、栗に形が似ていることから、浜辺の栗→はまぐりと名づけられた、という説があります。

蛤は他の貝とは絶対に合わないことから一夫一婦の願いを込め、お祝いの膳にお吸い物として添えられます。元々九州や沖縄などの地方で3月3日に潮干狩りなどをして楽しむ風習があり、そこから蛤を食べるようになったという説も。

本来は、1つの貝に身を2つ入れるのがしきたりです。

(関連レシピ)
はまぐり寿司 :ホームメイドクッキングより


 雛祭りの食材2【菱餅(ひしもち)】 


インド仏典の説話が起源との説があります。
何度も洪水が起こる度、川に住む竜の怒りを静めるために女の子をいけにえにしていた町があり、ある年に選ばれた娘の父親が我が子を助ける為に菱の実を差し出した。なんでも菱の実は、食べると子どもの味がするとのこと。その菱の実のおかげで、それ以来女の子を犠牲にすることがなくなった、というお話。

菱餅の緑(よもぎ)は健康を、赤(桃や紅花)は魔除け、白は清浄の意味を表していますが、この赤にはかつて竜の犠牲になった子の血の色と供養の意味もあるそうです。

 雛祭りの祝い膳 


和歌で有名な京都の名家・冷泉家では、人形を片付ける前日に雛道具を使ってお人形にごちそうをあげ、子供達もその前で同じ物を食べる習わしがあります。

ごちそうは、焼いた干魚・千切り大根の味噌汁・大根なます・煮物(焼豆腐とクワイとかまぼこ)・うるち米のみで炊いたお赤飯の5品です。


(関連レシピ)
 ナムル風紅白なます :おかずレシピより
簡単なお赤飯の作り方 :料理のABCより


現在は、子どもが喜ぶことを主たる目的とした雛祭り。歴史やしきたりはあるにせよ、子供達が喜ぶようなお料理でたのしませてあげるのが、やはり一番ですね。

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出典 

『年中行事を「科学」する-暦のなかの文化と知恵』
 永田九著 日本経済新聞社
『全集日本の食文化第12巻 郷土と行事の食』
芳賀登・石川寛子監修  雄山閣 
『祝いの食文化』   松下幸子著 東京美術  
『年中行事の歴史学』 遠藤元男・山中裕監修 弘文堂



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