まずは基本のお箸の持ち方を再チェック!
幼い頃に教わったように、お箸の使い方には基本があります。下のほうの箸を固定して、上の方の箸で自由に動くように食べ物をはさんで、いただきますよね。「毎日ごはんを食べているんだから、いまさら……」と思われる方もいらっしゃるとは思いますが、せっかくですので、お箸を一膳(もしくはペンを2本)手にとって、早速確認してみてください!
1.上の箸は、人差し指と中指の第一関節で軽くはさむ
2.下の箸は、親指つけ根と薬指の第一関節あたりで支える
3.下の箸は、動かさずに上の箸だけを動かして食べ物をはさむ
※箸は真ん中より上を持つと使いやすく、見た目も美しいですよ。
優雅なお箸の取り上げ方
「いただきます」――その前にちょっと確認。お箸を正しく持つ前に、箸置きからお箸を取り上げなければなりません。ぱぱっと取ってしまいがちですが、お箸の取り方をお伝えしましょう。このひと手間で、ぐぐっと魅力的な振舞いになりますよ。
1.右手の親指、人差し指、中指の3本で端の真ん中を取り上げる。
2.左手を箸の下側に手を添える。
3.右手を箸の右へ下へ滑らすように、沿える。
4.右手で、箸を正しく持ってから、左手を離す。
割り箸の割り方
箸を手元に引き寄せ、箸を横にし、真ん中を持って、上下に引いて割ります。
お膳の上で、左右に開いて割るのはNGです。また、先端をこすりあわせるのもやめましょう。
箸を置くとき・納めるとき
箸置きがない場合、箸をテーブルや盆にじかに置くのはNG。箸置きがなければ、箸袋を文結びや山型に折って箸置きの代わりに使ったり、箸袋の先を折って納めたり、さりげなく使用済みとわかるように!
やってはいけない箸使い
普段の食卓で無意識にやってしまいそうなものから、それはやらないよ!というものまで。行儀の悪い箸使いをしていては、おいしい料理も台なしに?! 箸使い美人になるために、箸の使い方NGをチェックしましょう。 上図左から- 振り上げ箸……箸をもったまま人を指したり、呼びかけたり、箸を振り回すこと
- こみ箸……箸で食べ物を口に押し込んだり、たくさん頬張って食べる
- 迷い箸……箸を持ったまま、どれを食べようか器の上に箸をさまよわせる
- もぎ箸……箸についたご飯粒などを口でなめて剥ぎ取る
- ねぶり箸……なにもつまんでいないのに、箸をなめたり、くわえたりする。
- 涙箸……汁気を垂らしながら食べる。
- 渡し箸……食事の途中や終わったあとに、箸を器の上に渡して置く。
- 寄せ箸……箸をつかって、器を引き寄せたり、押しやったりする。
- 探り箸……好きなものだけ、箸で探ってより分ける
- 差し箸……食べ物を箸で突き刺して食べる
- 突き立て箸……ご飯の中央に箸を突き立てる
やってはいけない箸の持ち方
明らかに他人と違う自分の箸の持ち方に気付いていても気にしない……。直そうとは思わない……。そんな方は意外と多く存在します。ここではやってはいけない箸の持ち方を説明しましょう。■箸にぎり型
2本の箸(動箸と静箸)を1本のように握って持つ。「グー」の形のように握ることからこの名前がついたようです。一般的に箸使いにまだ慣れていない小さい子どもに見られます。大人の箸にぎり型もガイドは見たことがありますが、さすがにひきました。
■交差型
2本の箸が交差する、いわゆる真ん中でクロスしている状態の持ち方。2本の箸が独立して動かせません。大きな食材は掴めても箸先がとじないため、当然豆など小さいものは上手く掴めません。
■母示支え型
人差し指と親指で動箸(上の方の箸)を持つ持ち方。やってはいけない箸の持ち方としてよく見かけるパターンです。上の箸は人差し指を中心に動かすために全体的に食材が掴みにくいです。
「箸に始まって箸に終わる」と言われてきた日本独特の食事作法。何も難しく考えることはありません。他の人と一緒に食事をする時、正しい箸の持ち方や使い方を身につけておけば、食べやすいだけでなく、より良いコミュニケーションが生まれ、食事が一層美味しくなります。今のご時世、「箸の持ち方の多様性もアリだ」と思う方もいるでしょう。しかし、海外の日本食店の数が増えている中で、箸が上手に使えない日本人よりも美しい箸の使い方をする方が素敵だと思いませんか。
イラスト yuka kira
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