アイロンのかけ方の基本とは……これでシャツも完璧!
シャキっときれいなシャツは着心地満点。家族にもこの気持ちよさを味あわせてあげたいもの。
コツをつかめば楽しくなるというわけ。同じならきほんをおさえて「好き家事」にしてしまいましょう。
<目次>
<アイロンのかけ方のコツ>
アイロンのかけ方の基本……まずは道具をそろえる
まずは道具をそろえます。必要なのはアイロンとアイロン台。場合によっては必要なものとして、霧吹き、あて布を。あるとアイロンがけが楽になるものは、アイロン用しわ取り剤やスプレー糊。
なくても大丈夫ですがアイロンマットやアイロンミトンもとても便利。自然な香りがつくリネンウオーターもおすすめです。
アイロン台はいらない!?
アイロン台の種類には「立ってかけるタイプと座ってかけるタイプ」や、「舟形と長方形」があります。スカートやシーツなど大きな面積を一気にかけたいものが多い人は長方形が、シャツ類が多いなら舟形が便利。襟や肩をかけるのに便利な「うま」付きのものもあります。
ところでアイロン台は大きいので出し入れが面倒ですよね? 急いでいるときは出さなくても、バスタオルや毛布で代用できます。毛羽がついて困る衣類なら“アイロンマット”でおおってかければOKです。
絵表示をチェックし温度設定をする
アイロンがけでは高温の鉄を衣類に当てるのですから、ものによっては変質してしまう危険もともないます。洗濯絵表示をきちんと見てアイロンの設定温度や当て布がいるかどうかを確認し、守りましょう。
【アイロンに関する洗濯絵表示】 絵表示の意味説明文はJIS「繊維製品の取り扱いに関する表示記号およびその表示方法」より |
<2016年12月以前の表示>
意味 | 適する素材 | |
高温 | アイロンは210℃を限度とし、高い温度(180~210℃まで)でかけるのがよい。 | 麻(180℃~) 綿(160℃~) |
中温 | アイロンは160℃を限度とし、中程度の温度(140~160℃まで)でかけるのがよい。 | (140~160℃)レーヨン・キュプラ・ポリエステル・ナイロン・ (130~150℃)羊毛・カシミヤ・絹 |
低温 | アイロンは120℃を限度とし、低い温度(80~120℃まで)でかけるのがよい。 | (110~130℃)シルク・アセテート・トリアセテート (80~110℃)ナイロン・アクリル・ポリウレタン |
不可 | アイロンがけはできない。 | |
当て布 | アイロンをかける時は当て布を使用のこと。 |
<2016年12月以降の表示>
意味 | 適する素材 | |
・・・ | 底面温度200℃を限度 | 麻(180℃~) 綿(160℃~) |
・・ | 底面温度150℃を限度 | (140~160℃)レーヨン・キュプラ・ポリエステル・ナイロン・ (130~150℃)羊毛・カシミヤ・絹 |
・ | 底面温度110℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げ | (110~130℃)シルク・アセテート・トリアセテート (80~110℃)ナイロン・アクリル・ポリウレタン |
× | アイロン仕上げ処理はできない |
アイロンがけの方法はひとつではなく仕上がりがキレイならOKなのですが、きほん動作やツボをふまえたマイダ流をおとどけします。
上手なアイロンがけは脱水から始まる
しずくがしたたるくらいの軽い脱水でトレーナーハンガーに干したり、逆さのバンザイ状態にして干すとシワが少ないようです。 |
洗濯では脱水がシワを固定してしまうポイントですから、シワをつけたくないものはたたんでネットに入れ、脱水時間を短くします。
シャツなら脱水30秒(梅雨時は乾きにくいのでもう少しプラス)ですが、洗濯機の設定が1分からなら1分で。
干す前にシワをのばしながらたたんでしばらく置くと、不思議なくらいシワがのびてきれいに干しあがります。
干す時は、針金ハンガーでなく肩に厚みのあるものにかけて。
逆さにつるすバンザイ干しもシワや型崩れが少なく仕上がります。
なお、形態安定加工シャツはドリップドライ(濡れ干し)がきほん。普通のものでも水がしたたるくらいの状態でトレーナーハンガーのような肩に厚みがあって腕が長い形のハンガーに干すときれいに仕上がります。
「スチーム」と「ドライ」と「霧吹き」
アイロン初心者が悩ましいのは「スチームかドライか」と「スチームか霧吹きか」。「スチームかドライか」は、水を嫌う素材かどうかで考えます。絹やレーヨンは水によってシミができやすいので、当て布をしてドライでかけます。
「霧吹き+ドライ」と「スチーム」のちがいは水滴の大きさです。
水を吸い込みやすい綿や麻は大きな水滴の霧吹きが早く仕上げられ、ウールなど染み込みにくいものにはスチームの細かい蒸気をたっぷりかけてあげることでシワがのびやすくなります。
アイロンのかけ方の心得
アイロンがけの基本動作は「すべらす」「押す」と「浮かす」。シーツなど大きな面にはアイロンの面全体で圧力をかけるように横へすべらせ、シャツの細かい部分ならアイロンの先だけ少し浮かせぎみにして左右にクククと揺らしながら押し、かけます。スチームは浮かせてかけるが基本です。
アイロンがけの前にはシワをのばし形をととのえて一気に進むと変なシワがつかず早くかけられます。
左手(左利きなら右手)も大事。左手で布の端をもってピッピッとのばしながらかけます。
綿シャツのアイロンのかけ方・手順
ここからはアイロンがけの代表選手“綿シャツ”についてみていきましょう。手順1:厚手綿シャツなら霧吹きで全体をしっとり湿らせて
厚みのある綿シャツは霧吹きでしっとりするくらい湿らせて、ドライアイロンで(乾かすくらいのイメージで)かけるとシワがきれいにのびます。
薄手の綿シャツならスチームできれいに仕上がります。市販のスムーザーを使ってもOK。
襟を裏、表の準にかけます。小さな面をあとにすると、先にかけた大きな面にシワがついて二度手間になるので、襟や袖口、肩は先にやっつけます。
襟は端っこ(縫い目あたり)のシワをアイロンの先を使ってのばし、そこから真中へ向かってちょこちょこのばし、かけます。
襟の下(台襟)の部分と肩をかけます。形を整えて置き、生地が動かないよう左手で少し持ってかけるとスムーズです。
袖口を、裏、表の順にかけます。端から端へ、縫い目から面へと心がけながら、シワがよらないようアイロンの先端を使ってのばしかけます。
どこをかける時も形を整えてから始めると上手に早くかけられます。
袖を整えるには、脇~肩の縫い目をそろえ、そこと袖口あたりを持ってピピッと伸ばして中ほどから外へ生地をならします。
脇から袖口へ向かってアイロンの面をフル活用するよう平たく押しながらかけます。
「肩~脇との縫い目」「袖口との縫い目」のダーツがあるあたりをアイロンの先を浮かしぎみにしながらキュキュっとかけます。
あとはおもに平面ばかりですので、ぴしっと整形したらアイロン面全体に力をかけていきます。まずは左前身頃から。
次に同じく、整形して後ろ身頃をかけます。
行ったり来たりしてかけると戻るときにシワがよりやすいので、同じ方向へかけていくと失敗しにくいです。
ぐるっと一周して右前身頃でおわりになります。ボタンまわりはアイロンの先端を使って。
霧吹きでしっとりさせて乾しがてら(?)アイロンがけをしたシャツは、まだホカホカしていてシワがつきやすい状態ですので、アイロンがけが終わったらすぐにハンガーにかけておきます。これで完璧!
さいごに、扱いにくいものをかける時のくふうをいくつかご紹介します。
アイロンのかけ方のコツ1. プリーツスカート
アイロン台よりはみ出る部分も一緒にきちんと留めて始めます。 |
あて布専用ネットは、ネットの目を通してひだの状態を確認しながらかけられるので重宝します |
まず平ゴムを準備し、全体をアイロン台に固定してから始めると、すべりにくく、かけやすくなります。裾からウエストに向かってかけ進めると、よりずれにいです。
アイロン台からはみでるばあいは、とりあえず一度全体を固定してかけ、ずらしてまたかけてを繰り返します。
アイロンのかけ方のコツ2. パンツ
片方ずつ、折り山をしっかりきめて手で形を整えてからかけます。裾からウエストへ向かって。腰まわりは、タオルを入れて少しでもお尻に近いカーブを作ってからかけるときれいに仕上がりやすくなります。
アイロンのかけ方のコツ3. セーター
アイロンは「スチーム」にし、生地に直接当てずに浮かして蒸気をふきかけることで、シワをのばします。アイロンのかけ方のコツ4. スーツ
スーツに部分的についたシワは気になりますね。スーツはハンガーにかけた状態で、スチームアイロンを浮かしながら蒸気を当ててのばします。立てると蒸気が出ないアイロンなら、平たいところに置いて同様にします。アイロンミトンがあると便利ですよ。
結局は数をこなしてカラダで覚えるのが一番といわれるアイロンがけですが、ポイントを確認しておけば近道でマスターできる……はず!
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