ペットを亡くしたときに、自分をまったく責めないという飼い主はまずいないでしょう。誰もが「もし自分がああしていたら」「自分がこうしなければ」と、考えても変えることのできないことについて、考えてしまうものだと思います。

人間というのは面白いもので、自分以外の誰かに責任があると、ちょっとホッとしてしまうところがあるようです。そして、転んだときに足元に石があれば、その石が悪いのであって自分が足元を確認していなかったことは考えずにいるように、誰かに責任があると思い込みやすく、自分の非を見逃してしまいやすいようです。

ある人が、飼い始めてまもないペットを亡くしました。この飼い主は、ペットの死について「ペットショップが悪い」という結論を受け入れることを選びました。本当にペットショップだけが悪いのか、この飼い主が大切なことを見逃してしまっていないのか、考えてみてください。

元気がなくなったみたい

猛暑どころか酷暑と言われる日の多い今年の夏、セキセイインコを購入した人がいました。仮に、「Aさん」とさせていただきます。

Aさんが購入したペットショップには、可愛らしいセキセイインコの雛が何羽もいました。雛とはいっても、Aさんが購入したのはすでに1人でごはんを食べられる子です。このペットショップでは、雛を店員さんたちが挿し餌をして育て、挿し餌の時間を作るのが難しい人でも人になれた幼鳥を購入することができるようにしていたのです。

Aさんは、何羽もいる中から自分の好みに合ったセキセイインコを1羽選び、購入しました。購入時には店員さんから飼い方について説明を受けたのですが、セキセイインコを迎えた喜びからか、Aさんは説明を聞きながらも頭の中はセキセイインコとの楽しい生活を想像してばかりでした。

家族に迎えたセキセイインコは、Aさんの希望どおりに可愛らしい家族になり、毎日の生活に喜びをもたらしてくれました。けれども数週間後、Aさんは鳥かごの底にセキセイインコがうずくまっているのに気が付きます。いつもならAさんを見ると近寄ってくるのに、動くことすらしません。不安になったAさんは、電話帳で動物病院を調べ、鳥を診察するという動物病院に行きました。

入院すれば元気になりますよね?

Aさんがセキセイインコを連れて行った動物病院は、インターネットでも評判のいい、鳥を診てくれる動物病院でした。ただし、鳥だけでなく犬や猫、ウサギなども診療しているため、とても混んでいました。Aさんは、落ち着かなげにうろうろしている犬や診察室から聞こえる猫の叫び声に驚きながらも、元気のないセキセイインコに声をかけるなどして待合室で自分たちの番を待っていました。

1時間近く待ったのち、Aさんの番が来ました。Aさんはまだ飼って数週間しかたっていないことや、自分が気が付いた範囲で毎日の食欲や元気な様子を先生に伝えました。昨日は元気だったことも伝えました。セキセイインコを診察してもらったところ、Aさんが思っていたよりもセキセイインコの具合は悪く、その日は入院させることになりました。

入院する必要があるほど悪いとは思っていなかったAさんは、不安になりました。でも、ここは評判のいい動物病院。先生を信じれば必ず元気になると思い質問は控えて、明日には元気になったセキセイインコに会えると信じて帰宅しました。