小動物/鳥類の飼い方

鳥用ペレットの選び方(2ページ目)

先日、TSUBASA シンポジウムに行って来ました。シンポジウムで行われたいくつかの講演の中で私が特に興味を持ったのは、鳥の栄養に関する講演でした。鳥用ペレットの選び方を知っておいてください。

執筆者:村田 亜衣

ビタミン・ミネラルの注意点

オカメインコ
オカメインコはビタミンAを過剰摂取しやすい鳥です。
鳥の種類によって必要栄養素量が変わることは多くの飼い主さんに知って欲しいと思いますので、講演でメモした内容を以下にすべて書きます。講演を聴きながら急いでメモしたため、言葉の足りない部分があって申し訳ないです。また、メモを取りそこなったものもあると思いますので、シンポジウムに行かれた方は、是非「この話もしてたよ」と突っ込んでくださいませ。

  • ビタミンA
    • 肝臓に貯蓄される。
    • 過剰摂取した場合、肝機能に影響を与える。
    • 市販のネクター製品にはビタミンA が多く含まれているものが多い。
    • ビタミンA は、鉄分の吸収を増進させ、カロチノイドの吸収を妨げてしまう。
    • ビタミンA が多いと、ビタミンB、E、K の接種を妨げてしまう。
    • ビタミンA が肝臓に貯蔵されるのを防ぐためには、ビタミンE を与えるとよい。
    • 昆虫(植物よりカロチノイドを接種)と果物(ベータカロチンなどのカロチノイドが豊富)を主食とする鳥類はビタミンA を貯蔵する必要はないので、あえてサプリメント等で与える必要もない。
    • オカメインコはビタミンA を過剰摂取しやすい(必要量は 2,000 ~ 4,000IU。市販のネクター製品には 20,000IU 以上含有しているものもある)。
  • 鉄分
    • 昆虫や果物を主食とする南国産のオウム類やサイチョウ、フラミンゴなどは、鉄分蓄積症になりやすい(鉄分を蓄積し過ぎないように、鉄分の吸収を増進させるビタミンA やビタミンC を多く与えすぎないようにする必要がある)。
    • 鉄分の摂取量は、100mg/kg 以下が理想。
  • カルシウム
    • セキセイインコとコンゴウインコはカルシウムとビタミンD3 を過剰摂取しやすい。必要とするカルシウム量は 0.3~0.6% であり、0.7% 以上は有毒である。
    • 逆に、カルシウムとビタミンD3 を多く必要とするのはヨウム。日光(紫外線)が不足するとビタミンD3 欠乏症になりやすい。なお、紫外線は窓ガラスやカーテンにより減ってしまうので、室内で日光浴をさせるだけだと足りないこともある。飼い方によっては屋外での日光浴や紫外線ライトを使うことも検討する必要がある。
  • たんぱく質
    • たんぱく質に含まれている必須アミノ酸群のバランスが大切。
    • 野生の鳥はさまざまな食べ物を食べてバランスを維持している。
    • 各必須アミノ酸の含有量を確認してペレットは選ぶ必要がある。
ビタミン・ミネラル類はそれぞれの摂取割合が大切な栄養素です。どれか1つが多すぎるとその影響で別のものを吸収できなくなったり、カルシウムとリンのように摂取量のバランス次第でしっかり摂取できるかどうか決まったりするものがあります。また、気づかずに大量に摂取させていたために、蓄積されたものが消費できるまでの間、内臓に負担をかけてしまうこともあります。

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