新しい飼い主を見極めるためにして欲しいこと
今回の件は、動物病院や動物愛護団体が行う新しい飼い主を探すための譲渡会(里親会)などで猫をもらいうけた人が行っていた虐待です。この事件から、新しい飼い主を探す場合に私たちがするべきポイントがわかったように思います。もし、あなたが新しい飼い主を探すときには、次のことをして欲しいと思います。
- 紹介元の確認
動物病院などに新しい飼い主を探している子の貼り紙をさせてもらうと、その動物病院から紹介されたという人が問い合わせてくることがあります。こういったときに、「あの動物病院の紹介なら大丈夫」などと思い込まずに、動物病院に確認するようにしてください。
今回の件で逮捕された人は、「○×動物病院で紹介されました」などとほかの動物病院や動物愛護団体の名前をつかい、動物病院や動物愛護団体を油断させて猫をもらいうけていました。譲渡後に言われた動物病院や動物愛護団体に問い合わせをすると、その人を知らなかったり、同じように言われて猫を譲渡していたりしたのです。
本当に紹介されている人ならば「一応確認するのでお待ちください」と言われても気にせず待っているでしょうから、紹介元を信頼していても確認してください。
- 同じ質問を繰り返す
事実を偽りペットをもらいうけようとしている人は、何度か同じ質問を繰り返すと言っていることが変わってしまうことがあります。ですので、できれば日を変えて同じ質問を繰り返してみてください。
小さなペットの場合にはそこまでこだわらない人もいるかもしれませんが、寿命の長い犬や猫の場合には、1人暮らしの方には譲渡しない動物愛護団体さんもいます(その人が入院しなければならなくなったり、結婚したりした場合にペットを飼い続けられなくなるおそれがあるため)。それを知って事実を偽り家族と同居していると言っていた人が、数日後に家族構成を聞いたら独り暮らしだとぽろっともらしてしまったりすることは少なくありません。繰り返し聞いていくうちに、真実がわかることがあるのです。
疑ってかかるのはよくないことなのですが、新しい飼い主に条件を出しているならば、その条件については何度か確認してください。もちろん、前回聞いたことはすっかり忘れているふりをして、疑っているとは思わせないようにして確認してくださいね。
- お届け
新しい飼い主さんの居住場所によりますが、できればペットは新しい飼い主さん宅まで届けてください。その際に、ちょっと意地悪ですがお宅をチェックさせてもらってください。ペットにとって安全であれば、部屋は汚れていても散らかっていてもいいと思います。チェックして欲しいのは、ペット用品です。
ペットを迎えるにあたり、どんな人でもケージやごはんなどを用意します。その用意されているものをチェックして、ペットを飼うのに足りないものがないかどうかを確認しつつ、聞いているペットの飼育歴と比べて使い込まれた用品だったりしないかどうかをチェックして欲しいのです。
もし、前に飼っていたペットが亡くなってから1年たつ、という人ならば、そこに封の開いたペットフードがあったら不自然です。ペットフードの賞味期限を見せてもらいながら、ペットの飼育歴を再確認してみるといいでしょう。