小動物/ペットから感染する病気

狂犬病に感染しない方法(2ページ目)

先日、狂犬病を発症した人のニュースが流れました。旅行や仕事で海外に行く予定のある方は不安になられていることと思います。今回は、動物と人との共通感染症である「狂犬病」について紹介したいと思います。

執筆者:村田 亜衣

狂犬病の予防法

狂犬病には、予防ワクチンがあります。オーストラリアやイギリスなど、日本と同じように狂犬病が撲滅されたとしている国以外に出かける場合には、その国での狂犬病発症数などを調べ、必要に応じて、予防接種をしてから出かけるようにしましょう。

また、外国では素性のわからない動物にやたらと触ろうとしないことです。日本では狂犬病が長い期間発症していなかったからか、多くの日本人は外国でも日本と同じように動物に触ろうとするようです。日本国内でも飼い主に断らずにいきなり犬を触るなどのマナー違反をしていることが問題なのかもしれませんが、外国では特に、管理している人に確認を取らずに触ることは勧められません。

狂犬病は犬だけの病気ではありませんので、野生動物にも注意が必要です。日本国内でも、タイワンリスにエサを与えてしまう人など、野生動物を警戒せずに触れようとする人がいます。でも、たとえ人間に馴れている子であっても、野生動物に対しては警戒してください。エサを与えようとして手を噛まれ、狂犬病やほかの感染症をうつされてしまうおそれがあります。

狂犬病は過去の感染症ではありません

日本では、狂犬病は撲滅されたと言われてきました。けれども、外国では狂犬病に感染している動物は多く、狂犬病による死者も少なくありません。

日本やオーストラリア、イギリスなどの島国は、国内に入ってくる動物を制限したり検疫したりすることができるので、狂犬病を撲滅できたのでしょう。ですが、狂犬病は野生動物により感染が拡大してしまうため、アメリカや中国などの大陸づたいにほかの国とつながっている国では、狂犬病の撲滅は難しいと考えられます。

今回のニュースのように、外国で狂犬病に感染するおそれは誰にでもあります。外国に出かける場合には、事前に行く先の国について狂犬病などの感染症の状況を調べ、必要に応じて予防接種を行うようにしましょう。

また、こちらの方が怖いのですが、外国から日本に持ち込まれる動物によって、日本国内に狂犬病が入ってくるおそれもあります。日本は動物に対して検疫を行っていますので、そう簡単には入ってこないと思われるのですが、ペットを外国から連れ帰った場合には、自宅検疫になることがまれにあるそうです。

自宅検疫とは、一定期間ペットを外に出さずに飼育し、飼い主が自宅で検疫を行うことです。自宅検疫中はペットは外に出してはいけないんですが(ペットの病気を治療する場合などは外出させてもOKだと思いますが、それ以外ではいけないはずです)、「自宅検疫中なの~」と言いながら犬を散歩させていた人がいたそうです。

日本で狂犬病が長いこと発症していないために、私たちが狂犬病の怖さや予防法について知らないことが一番危険なことではないかと私は思います。日本には、「狂犬病予防法」という法律があり、犬は狂犬病の予防接種が義務づけられています。にも関わらず、日本国内で飼育されている犬の半数は狂犬病の予防接種をされていないと言われています。

日本が狂犬病を撲滅した国であり続けるためには、狂犬病が過去の病気ではないことを認識する必要があるでしょう。犬を飼っている方は必ず狂犬病のワクチン接種を行ってください。外国に行く方は、外国ではやたらと動物を触ろうとしないようにしてください。

★外国に行く前に確認したい狂犬病についてのサイト :
外務省 海外安全ホームページ
- 「感染症関連情報」に狂犬病に関する情報があります。

JOHAC 海外勤務者のための医療・衛生情報
- 狂犬病の流行状況を地図で見ることができます。


★関連記事 :
小動物にも狂犬病感染の恐怖
死者まで発生! 恐怖の「狂犬病」とは? (よくわかる時事問題 ガイドサイト)
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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