先日、狂犬病を発症した人のニュースが流れました。発症した人が亡くなり、狂犬病の恐ろしさが伝えられたところで、新たに狂犬病を発症した人のニュースが流れ、旅行や仕事で海外に行く予定のある方は不安になられていることと思います。

今回は、「小さなペット」からちょっと離れて、動物と人との共通感染症である「狂犬病」について、考えられる感染経路や予防法について紹介したいと思います。

狂犬病とはどういう病気か

狂犬病は、脳にダメージを与える感染症です。感染すると、不安感やイライラ感がつのったり、幻覚に襲われたりするそうです。その後、全身の麻痺や痙攣を起こし、昏睡状態に陥り死亡します。水を怖がる症状があることから「恐水症(きょうすいしょう)」とも呼ばれます。

感染した場合、2週間~1年を超える潜伏期間があり、その後、狂犬病を発症します。発病した人に対する有効な治療法がないために死亡率が高く、世界で年間55,000人が狂犬病で亡くなっていると推測されている、恐ろしい病気です。

狂犬病を題材にした小説がいくつか出版されているので、狂犬病の怖さをじっくり知りたい方は、以下の小説を読んでみるといいでしょう。
■クージョ(スティーブン・キング著) - 狂犬病に冒された犬の話
■噛みついた女(デイヴィット・リンジー著) - 狂犬病ウィルスを用いて殺害を行う連続殺人鬼の話
■白い狂気の島(川田弥一郎著) - 台風で孤立した島での狂犬病騒動を書いた医学ミステリー

狂犬病の感染経路

狂犬病は、狂犬病ウィルスに感染した動物から噛まれたり、傷口をなめられたりすることで人に感染します。感染している動物の唾液に含まれるウィルスを取り込むことで感染するのですが、このウィルスは空気中にはいませんので、風邪のように感染している人のそばにいるだけで感染するようなことはありません。

今回流れたニュースの中には、「人から人への感染はない」と断言しているものがありましたが、人から人への感染もありえます。ただし、症例としてはまれであり、感染している動物から人へ感染するのが一番多いケースです。

狂犬病は、犬以外の動物にも感染します。ペットとして飼われている猫やウサギ、ハムスターなども感染しますし、コウモリにも感染します。外国では、吸血する習性を持つ野生のコウモリが生息している場所もあり、そういった場所では、コウモリにより感染が拡大することもあります。

狂犬病の治療法

狂犬病に感染している動物から噛まれた場合、24時間以内に血清を打つ必要があります。その後、数日置きに数回(予防接種をしている場合としていない場合で回数は変わります)血清を打ちます。治療が遅れた場合には助けられませんので、外国で見知らぬ動物に噛まれた場合は、傷口を石鹸水で洗ったあと、症状が出るのを待たずに病院に行くようにしてください。