両手で持って、ごはんを食べてる姿が好きな飼い主さんも少なくありません。 |
著者の大野さんに聞いてみました!
「ザ・リス」の著者、大野瑞絵さんは「リスクラブ」や小動物雑誌でシマリスについて書かれている方です。「ザ・リス」についてやシマリスについてお話を聞かせていただきました。Q.「ザ・リス」を書こうと思ったのはなぜですか?
1998年に「リスクラブ」を、2000年に「りすのひとりごと」を書かせていただいたのですが、それから時間も経ち、改めて皆さんにお伝えしたいことも溜まってきました。また、今年は外来生物法の施行などもあり、野生動物を飼うということについて再確認していただきたいという思いもあります。
Q.「ザ・リス」で1番読者(リスの飼い主さん)に伝えたかったことはなんですか?
野生動物を、家庭の中という限られた環境の中で飼うしかないのですが、その限られた環境の中でできるかぎりのリスたちの幸せを考えてほしい、ということですね。
Q.「ザ・リス」には多くの飼い主さんの工夫を凝らした飼育環境(ケージなど)が紹介されていました。大野さんの印象に強く残った工夫やほかの飼い主さんに真似て欲しいと思った工夫がありましたら、教えてください。
今回ご紹介したいろいろな工夫はどれもすばらしいものばかりなので、どれかひとつだけを挙げるのは難しいですね。どれも可能な範囲内で真似してみてほしいと思います。
「工夫」ではないのですが、今回、たくさんの飼い主さんに写真を提供していただきまして、そのリスたちの様子も皆さんには見ていただきたいと思っています。信頼関係がないと、ああいう写真はなかなか撮れないですから。
理想の食餌メニューについては書ききれないので本書を見ていただくとして…。
考え方としては、まずはなにより栄養面。野生のリスと違って、飼育下のリスは自分で食べ物を選べないですから、飼い主さんがきちんと選ばなくてはならないですよね。
それから、本書の中で「環境エンリッチメント」について説明しましたが、食餌についても同様に「野生のリスが食べているようなもの」を与えること。まったく同じものは無理なんですが、たとえば小さな種子の殻を剥くようなことは、本能を満足させるために重要じゃないかと思っています。
Q.「ザ・リス」ができあがるまでに、大変だったことがありましたら、教えてください。
大変、というのとはちょっと違うかもしれませんが、扱っているのが「命」だという緊張感はずっとありました。誤解を招くような書き方をして、そのことでリスがケガや病気をしてしまったら大変ですし。
よく「飼育書にはとおりいっぺんのことしか書いてないから、ホームページやメーリングリストで質問したほうがいい」というようなこともお聞きしますが、不特定多数の方すべてに安心して読んでいただかねばならない飼育書を作るのも、けっこう大変なんですヨ、とこの場を借りて叫んでおきます。
あと大変だったのは、締切との戦いです(笑)
Q.大野さんは、シマリスと暮らしたことはありますか?
はい、あります。今は8歳のメスと4歳のオスがいます。
Q.大野さんにとって、シマリスの魅力とはなんでしょうか?
かわいいだけじゃないところですね。尊敬の念さえ持っています。リスってすごい、とよく思います。
初めて飼ったときは、ただ「かわいい」だけだったのですが、その後野生のリスについて書かれた本を読んで、野生のリスのたくましさを知りました。また、飼っているリスが病気になったときに見せてくれた「生きる」ことを諦めない様子からも、学ぶことがたくさんありました。
大野さんのポストカードです。 |
持ってますよ。お気に入りは……ありすぎてひとつに絞れません!
最近手に入れたポストカードは、リスの「がっつきぶり」がかわいくて、お気に入りのひとつかな。
Q.リスの飼い主さんたちやこれから飼い主になる方達にメッセージがありましたらお聞かせください。
リスはペットに向いている動物では必ずしもない、と思うのですが、飼うのであれば、大変だなあと思うこともすべてひっくるめてリスのいる毎日を楽しんでほしいと思います。住まいのことや餌のことなど、あれこれ悩みながら飼うことを楽しんでほしいですね。
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