こういうのをついてないと言うのではないだろうか?
またしても、プレーリードッグにズーノーシスが発症してしまいました。
今度は猿痘(モンキーポック)です。
アメリカで発症したプレーリードッグとガンビアン・ラット(Gambian giant rat)より感染したと考えられている
猿痘(モンキーポック)は、感染すると3週間以内に発熱、咳、頭痛や筋肉痛、発疹、リンパ節の腫れといった症状を表す、天然痘の発痘に似た発疹が見られる病気です。
西アフリカの熱帯雨林に発生する病気で、死亡例が無いわけではありませんが、
重篤な状態になる確率は10%以下と言われています。
名前は「猿痘」ですが、リスやネズミといったげっ歯類にも感染する病気で、
猿よりもリスにおける感染率の方が高い、という意見もあるようです。
▼どうしてこんなことになってしまったの?
今回の場合、一番の原因はペット業者だと思われます。
プレーリードッグが感染源として騒がれているようですが、実はプレも被害者。
隔離されていなかったためにガンビアン・ラットから感染したと考えられています。
そして、感染して具合が悪い状態にも関わらず、ペット業者が販売したために
今回数十人にも及ぶ感染者を出してしまったのでしょう。
ペット業者は販売するだけでなく、ペットの健康状態を管理する必要があります。
病気と思われる固体があるならば、それは販売せずに治療をすべきでしょう。
ましてやそれが入荷まもないのであれば、
他の固体への感染も考慮して隔離しておくべきです。
入荷したての固体が何か病気を持っていてもおかしくないんですから。
ところが、今回のアメリカのペット業者は 具合が悪いにも関わらずプレーリードッグを販売し(販売されたプレの中には後に病気が原因で死亡した固体もあります)、 猿痘のウィルスを広げていったのです。
▼日本も危ない?今の日本のペット業界には、珍しいペットを輸入・販売しようと考える業者がいます。
珍しいから売れるという考え方自体が疑問なのですが、 その裏にいる珍しいものを欲しがるという一部のペット愛好家にも問題はあります。
そして、珍しい動物をと考えていけばいろいろなズーノーシスに感染した個体を輸入する可能性は上がるわけで、 残念ながら日本は安全だとは言い切れません。
でも、ペット業者がちゃんと検疫期間を設けて販売してくれればかなり安全だと言えるでしょう。
また、業者だけでなく、ペットショップに行く私達が手洗いなどのウィルスを運ばない習慣を持つようにすれば
万が一発症してもその被害は小さく抑えられるはずです。
もう10年以上前ですが、とある町にあるペットショップ数件で犬のジステンパーがほぼ同時に発症したことがありました。
中には同じ業者から仕入れたお店もあったのですが、そうでないお店もあり、
また、同じ業者から仕入れてても発症していないお店もあり、
どこで感染したのだろうか?とペットショップの人たちは頭を悩ませました。
そして、調べたんです。
その結果は予想もしないものでした。
1軒のお店にいたジステンパー感染していた子犬を触ったお客さんが 他店をはしごしたために、感染を拡大させてしまっていたとしか思えなかったのです。
私達は「触らないで下さい」と注意書きがあっても、ペットショップで展示されている子を触ってしまうことがあります。
可愛いですからね。
触りたくもなるんです。
でも、その結果として病気を広めてしまったとしたら・・・?
知らず知らずにズーノーシスを広げる加害者のひとりになってしまうのです。