小動物/ペットから感染する病気

日本のペットはホントに安全なの? 小動物にも狂犬病感染の恐怖(2ページ目)

日本での発症例がここ半世紀無いから狂犬病の心配はいらない。そんな間違った解釈をしてはいけません。空前のペットブームと言われる今、狂犬病の恐怖は日本をも脅かしています!

執筆者:村田 亜衣

狂犬病予防法

日本では、犬の飼い主に対して、年に一回愛犬に狂犬病の予防接種を行うことを義務づけています。これは「狂犬病予防法」という法律に定められていることであり、予防接種を行わないということは、法律違反をしているということになります。

それなのに、狂犬病の発症例が半世紀にわたり無いということで予防接種していない飼い主がいます。もし日本に狂犬病が入ってきてしまった場合、これらの犬を守ることはかなり難しいでしょう。そして、当然ながら狂犬病が広まる危険性もあがってしまうのです。

飼い主さんの中には、「予防接種による犬への負担が心配」だからと予防接種しない方もいます。でも、自治体で行っている予防接種だけでなく動物病院でも予防接種は受けられますので、飼い主は犬の体調の良いときを選んで予防接種を受けることができます。

もし本当にその犬が病気等で予防接種による負担が命に関わる可能性があるならば、動物病院で証明書を発行してもらって予防接種を免除することもできます。ですので、どんなに理由を言おうとも、証明書も無く狂犬病の予防接種をしていない飼い主というのは、法律を破る、飼い主としての義務を果たさない飼い主となります。

日本では半世紀にわたり犬における狂犬病の発症は報告されておらず、撲滅されたと言う人もいます。でも、撲滅はされていません。島国なおかげで日本にある病原菌は無くせたけれども、いつ外国から入ってくるかわからない情況なんです。

犬の飼い主のみなさま、接種することで飼い主の義務を果たし、愛犬も守れますので、どうか狂犬病の予防接種だけは必ずやって下さい。

犬が噛みついたとき

小動物には関係ない話ですが、狂犬病予防法が出たのでおまけをひとつ。

犬が人に噛みついた場合、噛んだことを保健所等に届け出をする必要があります。保健所では届け出の内容に基づき犬と飼い主に連絡を取り、狂犬病予防法に従ってそこから毎週、3週にわたって犬が狂犬病に感染していないか検査をするように伝えます。3週間後、検査結果に狂犬病の感染が見られなければ、犬のつないである場所等の飼い方指導が行われて終わります。

犬が人を噛んだと保健所に通報するとその犬は殺処分される、と思っている方もいらっしゃるようですがこれは間違いです。報告された犬について狂犬病の検査を行わせ、飼い主には指導を行うだけです。

噛まれた側が悪いこともありますが、犬のつないである場所やしつけがされていない等、多くの場合は飼い方に問題がありますので、保健所から指導されることで改善するきっかけを飼い主に与えることにもなります。
犬に噛まれたときには、その犬と飼い主のためにも保健所に届け出て下さい。

小動物と狂犬病

ハムスターのような小動物も狂犬病に感染します。 けれども今現在日本にいるハムスターには感染の危険性は無いため心配はいりません。間違っても必要のない危険に怯え、飼っているハムスターを処分するようなことはしないで下さい。

ハムスター以外の小動物も狂犬病に感染します。

感染している動物との接触を無くすことが感染を予防することになりますので、野生固体や狂犬病の発症が報告されている国から来た子を飼い始めるときにはペットの様子を十分に観察しながら検疫期間(他のペットと一緒にしない期間)をもうけ、自分自身も噛まれないように、無理な接触や乱暴な扱い、脅かしたりすることのないようにしましょう。

狂犬病の潜伏期間は一定ではありません。

ですので、日ごろからペットをよく観察し、噛まれるような扱いをしないようにするべきでしょう。特に飼い始めは早くなれて欲しいという思いから無理をしやすい時期ですので、意識してペットのペースに合わせてあげるといいと思います。

また、小さなお子さんのいるご家庭では、ペットの扱い方を十分に説明してあげて下さい。説明することで子供のペットへの関心を高めることもできるでしょうし、親子で一緒に飼っているという連帯感も出てくると思います。

狂犬病は死亡率100%の恐ろしい病気です。
でも、日本はこの病気を国内から無くすことに成功しました。
せっかく手に入れた安全を私たちの手で壊す必要はありません。
ペットは安心できる業者・お店で買うようにし、 危険性が考えられる野生固体等を飼う場合には 十分な検疫期間や健康診断、必要に応じて予防接種を行うなどしましょう。

ペットとの楽しい暮らしを守るのも、
            私たち飼い主の役目です。

Page1: 狂犬病


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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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