齧歯目(Rodentia) | |||
|- | チンチラ科(Chinchillidae) | ||
| | |- | チンチラ属 (Chinchilla) | |
| | | | |- | チンチラ (Chinchilla laniger) |
| | | | |- | チビオチンチラ (Chinchilla brevicaudata) |
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| | |- | ビスカチャ属 (Lagostomus) | |
| | |- | マウテンビスカチャ属 (Lagidium) | |
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|- | マウス科(ハムスターやラットなど) |
≪チンチラの生態及び特徴≫
チンチラは海抜18,000フィートのアンデス山脈西側、ボリビア、チリ、ペルー、アルゼンチンの山と峠に囲まれた砂漠のような場所に生息しています。大きな岩に囲まれているおかげで敵から身を守れ、低木やサボテン等のエサとなる植物もあり、また日中と夜の温度差により草木につく夜露で水分も得る事が出来ています。寒く乾燥した地域ですので、それに耐えられるように進化しています。あの豊かな毛は厳しい気候に耐えるために作られてきたのです。
エサとなる動物の少ない環境に暮らしている彼らの食事は、草や葉・根っこなどの植物がメインです。
チンチラは体長25~35cm(尻尾は15~20cm)の小型のげっ歯類です。 大型の鳥などはチンチラをエサとしていたりしますので、捕まらないようにと岩の間などの狭いところにいたり、夜活動したりしています。
チンチラの行動に「砂浴び」というものがあります。これは皮膚についた油脂分(ラノリン)を落とすためにする行動で、余分な油脂分を落とす事により毛穴が塞がってしまうことなどを防ぎます。
現在チンチラを展示している動物園は日本にはありませんが、十数年前にはいくつかの動物園で飼育されていました。動物園で飼育されなくなった理由はわかりませんが、飼育設備にかかる費用などは理由のひとつかもしれません。
≪チンチラの適正飼育環境と設備、工夫すべき事≫
飼育施設にはチンチラ用ケージやウサギ用のケージを使い室内で飼育します。
ケージのワイヤーのピッチは4cm以下の大きさのもので、着色やプラスチックコートされていないものを選ぶ事(チンチラが齧る事があるため)。チンチラは湿度に弱い動物ですので、エアコンの無い部屋では飼育できません。また、ジャンプ力のある動物ですので、高さのあるケージを選び、飛び乗れるように巣をケージの上部に付ける等工夫してあげましょう。
ケージはすき間風の入らない所で直接日光のあたらない所に置きます。ケージの後ろ側は壁につけて置くようにし、ケージのまわりを人が行ったり来たりしないようにしてあげた方がチンチラは落ち着くでしょう。
チンチラはもともと山岳地帯に住んでいる動物で、暑さ・湿気にはとても弱いです。
そんなチンチラの理想的な飼育環境は私たちの生活環境とはかなり違います。
温度は17~21度。冬場の温度の下がりすぎや夏場の温度の上がりすぎには十分に注意する必要があります。湿度は少なければ少ないだけチンチラにとっては快適です。
特に梅雨時には、十分に注意して下さい。徐々に馴らしていけば、ある程度の暑さにも耐えられるようになるらしいですが、けっしてチンチラにとっては快適ではないでしょう。
無理をさせられることがストレスとなり、チンチラを弱めてしまうことにもなり兼ねません。
彼等に無理をさせる事のないように、電気代をケチらずにエアコンを使って下さい。
チンチラはジャンプ力のある動物ですし、樹や岩に登ったりもするのですから、飼育施設には、チンチラの行動を考え横に広いものよりも高さのあるものがいいと思います。
環境が許すなら大きな施設を手作りするといいと思います。
チンチラの特徴として、その頑健な歯があります。
彼らは何でもかじりますので、ケージや巣箱、エサ入れ、給水ボトルなど口にできるものは全て噛まれると考えて下さい。噛まれても大丈夫なものを用意するか、噛まれないように工夫する必要があります。
チンチラは清潔な動物です。
彼等は砂浴びにより毛についた分泌物(ラノリンという脂質)を落とします。
砂浴びは毎日または週に1~3回程度させてあげます(個体により適切な回数は違います)。
砂浴びは砂を容器(12cm×20cm、深さが10~12cm程度のトレーや梅酒等に使う口の広い瓶等)に入れ、30分程度ケージ内に入れておくとチンチラが自分からやります。
砂浴び後も砂で遊んであたりを砂だらけに汚してしまう事もありますので、時間を決めてケージから出すようにしましょう。砂は2~3週間おきに取り替えます。但し、皮膚病のある場合は病原菌を砂が媒介してしまうものもありますので、複数のチンチラで同じ砂を使わないようにして下さい。
いくつかのペットショップでは砂浴び専用の砂を扱っているようですが、手に入らないようでしたら、園芸用の砂を使います。間違っても猫のトイレ用の砂は使わないで下さい。
猫のトイレ用の砂は固まるように出来ています。砂が目や口の中に入ったり、毛の間に残ってしまった場合に固まる砂だとチンチラを傷つける事にもなりかねます。主成分がゼオライトの園芸用の砂を使いましょう。