熱帯魚/レイアウト・インテリア

レイアウトの魅力・楽しみ方

生き物を飼育する趣味だからこそ、水槽のレイアウトも自然志向でいきたい。自然の景観を水槽内に再現するためのさわりの部分を、ここでちょっとだけ紹介。小さな大自然を感じるための第一歩は、ここからスタート。

長谷川 秀樹

執筆者:長谷川 秀樹

熱帯魚ガイド

水槽を設置し魚を泳がせたなら、次は水槽内を色々と飾りたくなるもの。はじめのうちはアクアリウムショップで販売されている、陶器で出来た土管や人形などの装飾品を飾るのも良いと思います。樹脂製の人工水草も、本物そっくりなものが販売されています。私も熱帯魚を飼い始めてしばらくは、それらの装飾品を入れて楽しんでいました。

しかし、そういった人工物での装飾は、変化が無いためにやがて飽きてしまいます。何よりもレイアウトした時がピークで、時間の経過と共にコケなどに被われてしまい、やがて色褪せていくのがちょっと寂しい。

熱帯魚の飼育というものは、小さな水槽の中に、大自然の縮図を再現させるのが醍醐味だと思います。熱帯魚の飼育そのものに慣れてきたら、自然を感じさせるレイアウト、自然の変化を感じることのできるレイアウトにチャレンジすることをお勧めします。

そんな自然志向なレイアウトを制作するための、さわりの部分について解説していきたいと思います。

自然にある素材を用いたレイアウト


流木
レイアウト素材として、定番の流木。様々な形をしたものが売られ、選ぶのも楽しい。
流木や石といった、自然にある素材を利用すると落ち着いたレイアウトが制作できます。人工物と違いただ入れるだけで、自然な景観を演出してくれます。装飾効果だけではなく、魚を落ち着かせたり、弱い個体が隠れることのできるスペースを確保するのにも有効です。

これらは、水槽のレイアウト素材としては定番で、形状、質感の異なる様々なものが販売されています。基本的にどのようなものを使っても構わないのですが、水質への影響が少ないものを選ぶのが基本です。中には、入れることによって水質の悪化を引き起こしたり、コケが生えやすくなってしまうものもあるので注意が必要です。

特に自家採集した流木は、生木であったり、塩抜きの必要があるものなど、初心者は手をださない方が良いかもしれません。市販の流木も、基本的に購入後のケアが必要になります。そのままでは大量のアク(フミン酸等)が飼育水に溶け出してしまうため、一度アク抜きをしてからレイアウトに用います。

方法は簡単で、流木がすっぽり入る鍋に入れて、数時間煮沸する。適当な容器に入れて水没させ、定期的に水を替えながら一ヶ月ほど置いておく。市販のアク抜き剤を使用する。などの方法で行います。あらかじめ、アクを抜いた状態で販売しているショップもあるので、多少割高でもそういったものを選べば直ぐに使用可能です。

サンゴ石
見た目が面白いため、サンゴの類は水槽内の装飾として使われがち。しかし、水質をアルカリ性に傾けてしまうため、その様な水質を好む魚以外への使用は適していない。
また石の中には、飼育水の硬度を上げてしまうものがあります。アルカリ性の水質を好む魚以外には使用は適しませんので、購入の際に注意が必要です。

着生する水草を使用したレイアウト


ミクロロソリウム
東南アジアに分布するミクロソリウムの仲間は、丈夫で弱い光でも育つため、とても使いやすい水草。流木などに着生した状態で、販売されることも多い。
自然にある素材を用いたレイアウトの応用で、水草を着生させて使用することで、更にナチュラルなレイアウトの制作が可能です。水草の中には、石や流木に根を絡ませて(着生)成長する種類があり、そういった性質を利用してレイアウトに使用します。

着生する水草の多くが丈夫で、育成の容易なものが多いのも特徴です。以下に代表的な着生する水草を、紹介した記事をリンクしておきますので参考にして下さい。


水草を用いたレイアウト


水草レイアウト
ネイチャーアクアリウムと呼ばれる、自然の景観を模したレイアウトスタイル。我が家の自慢のアクアリウム#06
自然を感じさせるレイアウトならば、水草を多用したレイアウトに勝るものはありません。特に近年では、水草関連器材の発展が目覚しく、水草の育成を容易なものにしてくれました。またレイアウトコンテストなども盛んに行われ、育成、レイアウト技術ともに充実しています。

思い通りのレイアウトを制作するためには、照明、フィルターを水草用に揃え、二酸化炭素を添加する必要があります。そうすることで、従来の消費的な水草の使用から、水草を健全に育成することが可能になってきます。


詳しい水草の育て方については、水草水槽の基礎知識の中で解説しているので参照してください。


水草用に環境を整えれば、特殊な水草を除き、ほとんどの水草を育てることが可能です。こうなって初めて、思い通りにレイアウトが行えます。水草を使ったレイアウトの手法は奥が深く、簡単に説明できるものでもありませんが、ある程度マニュアルが出来上がっています。育成方法も然りですが、レイアウトのスタイルも確立されています。専門の書籍も数多く出版され、意外と敷居は低いもの。ぜひ、癒しの水草レイアウトにチャレンジしてみてください。

参考:All About熱帯魚のユーザーから、送って頂いた水草レイアウト集。
下の画像をクリックすると、沢山のレイアウトをご覧になることができます。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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