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猫のための手作りご飯 !おすすめレシピや注意点

手作りご飯の方が猫の健康によいのとお考えの飼い主さんに、おすすめの手作りご飯レシピをご紹介。猫に与えてはいけない食材や猫が必要とする栄養素について、手作りご飯を与える適切な頻度など、猫の健康に関する知識もまとめました。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

猫のための手作りご飯 !おすすめレシピや注意点

愛猫のごはんにこだわりたい!

毎日キャットフードだけしか食べられないのは味気ないんじゃないか。キャットフードの中身は信用できるのだろうか?

うちの猫はお腹が弱くて、キャットフードだとあわないみたい。アレルギーがあって食べられないものがあるので……など様々な理由でキャットフードより手作り食の方がよいのではないかと考えるオーナーさんが増えてきているようです。

食事は生きるための糧、大切な愛猫に手作り食をと思ったときには、どんなことに注意し、どんな食材をどのように調理すればよいでしょうか。
 
<目次>
 

猫に手作りご飯をあげるメリットとデメリット

我が家では、ほぼ100%がキャットフードです。手作りというか市販品以外では、たまにササミをゆでたものやお刺身、馬肉などをおやつ程度にあげるくらい。信頼できるメーカーの良質なキャットフードであれば、一生それだけを食べさせていても全く問題がないと思っています。

■猫に手作りご飯をあげるメリット
手作り食の良さは、同居人=飼い主が自分で材料を選ぶことからスタートできるので、何を食べさせるかその中身がすべて把握できる安心感ではないでしょうか。また作る手間がかかりますので、その分愛猫に愛情をかけているという気持ちになれます。

■猫に手作りご飯をあげるデメリット
しかし、手作り食だけで猫に必要な栄養バランスを満たした食事を作るのは非常に困難。その猫の年齢、体重、代謝から必要カロリーを計算して、手に入る食材を組み合わせて猫の必要な栄養素を満たすためには相当高度な知識が必要です。「少しくらい適当でも大丈夫」などと安易に手作り食を勧めているサイトなどもありますが、週1回程度食べさせるのでしたら問題はないでしょうが、その食事だけで猫の一生を賄うとなると大問題です。
 

猫に手作りご飯だけで必要な栄養素を与えるのは難しい

■猫に必要な栄養素は完全には解明されていない
猫の食事に関する研究はかなり進んできましたが、いまだに微量ミネラルなどの割合など、完全に解明されていない部分も残っています。猫は完全な肉食動物で、ネズミなどの小動物や小鳥、昆虫などを丸ごと食べることでメインの栄養を、そして地面に溜まった雨水を飲んだり、木を囓ったりしてミネラルなどを補給してきました。猫は本来、野菜や穀物などをあまり必要としません。猫という動物にとって一番適切な食事は?というと、ネズミを頭からしっぽまで丸ごと食べさせることですが、これは一般家庭では現実的ではありません。

■死肉では失われてしまう栄養素もある
ネズミにしても小鳥にしても、生きている動物を殺して食べることで満たされる栄養素があります。これらの動物の消化器には未消化のその動物が食べていた食物が含まれていて、これも猫には必要な栄養素の一部となります。ウズラなどを丸ごとミンチにして販売しているものもあるので、これでしたら猫本来の食事に近い食材として使えるでしょう。しかし、これも死肉になって時間が経っているので、なくなってしまっている栄養素もあります。

■猫に必要な栄養素を手作りご飯だけで与えるのは難しい
こうして考えてみると、手作り食だけで猫の栄養素を完璧に満たすことは食材選びからつまづいてしまいます。確かに手に入る食材をうまく利用して、足りない栄養素はサプリメントでという考え方もあるでしょうが、果たしてそれで猫の健康を維持できるかというと疑問が残ります。サプリメントはあくまでも代用にしかすぎないからです。
 

猫に手作りご飯を与える頻度は週1回

■普段はキャットフード、手作りご飯は週1で
ガイドとしては、メインの食事は信頼できるメーカーが作っている、猫の栄養素を満たした総合栄養食のキャットフードをお勧めします。そして週に1回程度であれば、猫が好きな食材を利用した手作りごはんを与えてもかまわないのではないかと考えます。

■週1回なら栄養が多少偏っても問題ない
食物アレルギーを起こした猫のアレルゲンを特定するためには、今までに猫が食べたことがないと思われる単一タンパク質のみの食事を与えます。一般的に、普通の猫は食べないだろうと思われる羊肉やカンガルー肉、ダチョウ肉、ウサギ肉などで行います。このような単一タンパク質だけの食事は2ヶ月までだったら、猫の栄養的な健康を損なうことがないとされています。猫にとっては、たった1種類だけのタンパク源しか摂れない食事でも2ヶ月までは大丈夫と考えれば、週1回程度栄養素が偏った食事になっても、それによって猫の健康を害することは少ないでしょう。
※食物アレルギーの原因タンパク質除去試験は、獣医師の管理下で、猫の健康状態を観察しながら行います。すべての猫が2ヶ月間同一タンパクのみの食事で健康状態を維持できるという保証のものではありません。
 

猫に手作りご飯を与える時の注意点

■無理に食べさせない
手作りご飯をあげてみたいと思われる方に簡単レシピを2つご紹介します。このレシピはわたしの友人が作ってくれました。たいていの猫が気に入って食べてくれますが、ドライフード・オンリーで育ってきた猫の中には食べない子もいるかもしれません。もし猫が好まないようでしたら、無理に食べさせず、いつもの食事に戻してください。手作り食を与えるときは、いきなりすべての食事を変えるのではなく、便の様子などをみながら量を増やしてください。

■猫の手作りご飯レシピのアレンジは慎重に
猫には食べさせていけないものがありますので、もしこのレシピをアレンジしたいとお考えの時は食材選びを慎重に行ってください。猫には調味料が必要ないので、塩、砂糖、醤油などの他香辛料はいっさい使用しないでください。また、ネギ類など中毒を引き起こす食材や生卵の白身など栄養吸収を阻害する食材などがあるので、こちらもチェックが必要です。鶏や鯛の骨など、硬すぎたり折れるとささくれてしまう骨類も食べさせてはいけません。

人の感覚で最高の食材を選んでも意味がありません。猫は人とは違う動物なのだということをきちんと理解してください。

■中途半端な知識で猫の手作りご飯に挑戦しない
「手作り食を与えるようになってうちの猫はこんなに健康になりました」と紹介されているブログもありますが、それが自分の愛猫に当てはまるとは思わないでください。

どんなに評判の良いキャットフードでも合わない子に食べさせると下痢をすることもあるし、体調が悪くなることがあるのと同じように、手作り食にしたらすべての猫が健康になれるかというと、そんなことはありません。中途半端な知識で完全手作り食に挑戦することはやめてください。猫のためによかれと思ったことが徒(むだ)になるかも知れないことを理解してください。
 

猫の手作りご飯レシピ1:牛肉のカルパッチョ風

牛肉のカルパッチョ風の材料
※4kg程度の若い猫の約2食分
  • 牛肉赤身薄切り 70~80g
  • 野菜 合わせて20~30g ※さつまいも、人参・人参葉、きゅうり、しいたけ、絹さや、ひじき、ゴマなどを細かくすりつぶす
  • 葛(くず) ※入れなくてもいいです
■牛肉のカルパッチョ風の作り方
野菜は茹でて食べやすい大きさにつぶすかみじん切りにします。さつまいもは電子レンジでチンして角切りに。南瓜でもOKです。薄切り肉は、ミンチにするかそぎ切りにして葛を絡ませます。
牛肉のカルパッチョ風
牛肉のカルパッチョ風
 

猫の手作りご飯レシピ2:鶏肉の親子丼

■鶏肉の親子丼の材料
※4kg程度の若い猫の約2食分
  • 鶏の胸肉 50g
  • 鶏のモモ肉 20~30g
  • 卵黄
  • 野菜 合わせて20~30g ※にんじん、ブロッコリー、南瓜
  • 栄養補助 ※カルシウム源としての卵パウダー紫蘇油またはエゴマ油
■鶏肉の親子丼の作り方
鶏肉は電子レンジでチンして、手で細かくちぎります。野菜は茹でて食べやすい大きさにつぶすかみじん切りにします。野菜と鶏肉を軽く混ぜて、卵黄をまぶします。
鶏肉の親子丼
鶏肉の親子丼

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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