新しい家族に迎え入れるときは…
プレスリーのポスターやジュークボックスがあるダイナー風の部屋 |
ここから犬や猫を引き取るときには、それぞれの個体によって設定された金額を支払う必要があります。しかし、その金額は一定ではありません。
OHSは非営利団体ですが、運営を続けていくためには多大な予算が必要になります。
そのために、人気があってすぐに新しい家族が見つかりそうな犬や猫/子犬・子猫の寄付金は高く設定してあり、飼い主がみつかるまでに時間がかかるそうな動物たちの管理費に充てられます。
この方式については、様々な意見があるそうですが、私は実に合理的で良いシステムだなぁ、と感心しました。
引き取る際の寄付金には不妊手術代、マイクロチップ、名札、首輪、リード(犬用)、小冊子、ワクチン代、その他を含みます。猫にはキャリーケース代も含まれています。
そう考えると、例え1~2万円以上寄付金が必要でも全然安いです!
民間ボランティアの働き
ボックスを上手に使い、猫たちのアパート風 |
OHSには、1,186人の成人ボランティアと477家庭の一時預かりボランティア(新生児や妊娠した猫、回復期にある犬猫のケア、またシェルターが満杯時には一時預かりボランティア宅に避難することもある)と80人のスタッフ)が協力し合い活動しています。(2007年度の数字)
※2005年度には、一時預かりのボランティア宅から直接新しい家を見つけることができた動物が1,638頭いたそうです
ウイルス検査を行っていない理由
現在OHSでは、猫が入所したときにネコ白血病・ネコエイズのウイルス検査を行っていません。
入所猫すべての検査を行うための手間・作業時間やコスト、また陽性とわかった場合は発病していなくても安楽死の対象になってしまうこと、等々の理由から2001年4月から検査を行わない方針になりました。
ただし、新しく家族に迎えたいという人の家に先住猫がいる場合は、ウイルス検査を勧めます。また、ボランティアの家庭に行く場合や、シェルターの他の猫と一緒にする前にもウイルス検査を行います。
理想に近いシェルターと活動内容
猫一人一人の性格などが紹介されています |
OHSほど、全ての設備・理念が兼ね備わったシェルターは、欧米でもそれほど多くはないでしょう。
私がポートランド在住だったら、すぐにボランティア登録してお手伝いに行くのになぁ、と。ただただ羨ましいの一言。
でもこんなに素晴らしいお手本があるのですから、いつの日か日本にもこのようなシェルターができる日を夢みて、まずが近場の猫さんのTNR活動に精を出すことにしましょう。
至る所に子供達が描いたポスターが… |
このほかもう1ヶ所見学したのは民間非営利組織のAnimal Aidという小規模なシェルター。ここでも、不妊・去勢手術と新しい飼い主さん探しを積極的に行っています。
様々な団体・個人・行政が協力して不幸にして理由もなく「殺されてしまう」いのちを一つでも助けようとしているたくさんの活動があります。
増えすぎてしまう事で「殺される」いのちが増えるのであれば、不妊・去勢手術をしてむやみに増やさないこと、そして動物の生態・習性に即した適性飼育を行うことの大切さをもっと多くの方に知っていただきたく思います。
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