Multnomah County Animal Services
Multnomah County Animal Services
5月15日から21日まで、アメリカのオレゴン州とワシントン州を訪れる機会に恵まれました。

アメリカでは様々な動物愛護活動が盛んに行われていますが、その中でも私が以前より興味を持っていたのは、新しい飼い主と出会うための一時預かりの保護施設=シェルターです。

一般的にアメリカのシェルターでは、
・飼い続けることができなくなった動物の受け入れ場所(一時保護)
・保護された動物の健康管理
・新しい飼い主との出逢いの場
・新しく飼い主になる人への適正飼育の教育
・動物の習性、行動学に関するアドバイスを行い、トレーニングクラスを提供
・動物虐待や、飼育放棄の調査・指導
などの業務・活動が行われています。

2つのタイプのシェルター

出逢いを待つねこさん
出逢いを待つねこさん
アメリカには大きく分けて各州の行政が管理・運営を行っているところと、民営が寄付を集め日本のNPO法人のような団体を設立して管理・運営を行っているタイプの2種類のシェルターがあります。

行政シェルターは、野犬の保護・収容が基本ですが、民間シェルターは主に持ち込まれた動物を取り扱います。野犬の場合は、その犬のバックグラウンドがわかりにくく、新しい飼い主と暮らしていけるかどうかの適正の見極めが困難なので、民間は受け入れていないのではないか?と想像します。

猫の場合は野良猫を受け入れる民間シェルターが多数存在します。
ただしアメリカでは「人と暮らす適正」を持っているかどうかに対しての判断が日本より明確に分けられていて、家庭生活に向かない野性的な性格の猫は、不妊・去勢手術・耳カットをして元の場所に戻されることが多いようです(TNR活動)。 行政シェルターでは「いのち」に期限があり様々な理由により安楽死(殺処分)が行われますが、民間シェルターは安楽死を行わない(ノーキル)ところが多数あります。

また、行政・民間どちらも適性飼育が行われていなかったり、虐待の通報を受けると、調査し必要に応じては違反の通知を出し検挙する仕事も行っています。

行政のシェルターは、日本で云うところの動物愛護センターと同じような役割ですが、日本に比べると遙かに譲渡率が高くまたその管理や考え方の違いに感心させられました。
日本でも民間団体や個人がシェルター的な活動を行っている場所が多々ありますが、私が見学できたOregon Humane Society(OHS)の施設と規模、そして譲渡率に関してはただただ「羨ましい」の一言。OHSに関しては、次回の記事で詳しくご紹介する予定です。

行政が管理・運営を行っているシェルター

Multnomah County Animal Services
Multnomah County Animal Services
今回の旅行で、私は3カ所のシェルターを見学してきました。
最初にご紹介するのは、Multnomah County Animal Services(MCAS):ここはオレゴン州の行政が管理運営を行っています。
最初にも書きましたが、行政が運営・管理を行っているシェルターは、野良犬や野良猫の受け入れが基本ですが、実際にこのMCASに動物が連れてこられる一番多い理由は、「飼えなくなった」または「捨てられた」ことによるそうです。

飼い主が直接持ち込んだ(所有者情報がある)場合は6営業日、迷子や保護された(所有者情報がない)場合は3営業日経つと、元の飼い主にはその動物に対しての所有権を申し立てることができなくなります。
最初にここに持ち込まれた時点で重大な病気や怪我を負っていて回復が困難だと判断された場合や、FIV(猫エイズ)または猫白血病ウイルスに感染していることがわかると安楽死されます。
そして、ある一定の期間が過ぎ、その間に新しい飼い主と出会うことができなかった場合も安楽死の対象となります。
(この期間はそのときの収容数や動物によって違いがあるとのことです。)

ここに来る猫たちの平均年齢は1~5歳ですが、中には14歳を超える猫もいました。
ほとんどがアメリカンドメスティックキャット(土着の雑種)で、純粋種が来ることはまれとのお話しでした。