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4歳の先住猫と10歳の新人猫の同居は?!

新しい猫が仲間入り…。どちらかが子猫であれば、大きなトラブルは少ないでしょうが、大人猫同士の場合は?大人猫同士の同居についてのアドバイスです。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

猫さんは、1頭で飼われるのが幸せか?
多頭の方が幸せか?
という話は、またの記事に回すとして…
今回の記事は下記のご相談への回答です。
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6歳の女の子(不妊済)がいるお宅で、3ヶ月間だけ10歳の去勢済みの男の子を預からなければいけなくなった。うまく同居させる方法は?
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新人さんが威嚇するのは当然のお仕事

時間がかかることを理解してください

新しく仲間入りするのが子猫だったら、まず心配はありません。
ただし、猫の性格によっては時間がかかりますので、1日2日で慣れないからといって諦めないでください。
どんな場合でも最低2週間をひとつの目安として余裕を持って考えてください。

※私のまわりでも里親募集で2頭目の猫として新しい家に行くことがありますが、会わせた瞬間に先住猫がものすごいうなり声をあげ、それだけで怖くなって「うちの子とは相性が合わなかった」と返されることがあります。
大抵の里親募集ではそれを踏まえて2週間程度のお試し期間を設けてありますので、その期間内は簡単に諦めないで見守っていただければと思いますす。
※もし外から猫を入れる場合は、新人さんの健康診断・ワクチン・ウイルスチェックなどがクリアできるまで、決して先住さんとは接触させないよう注意してください。

しかし、大人猫と、大人猫の場合は…

新人さんはケージに入れましょう
先住さんは興味津々

猫の性格による個体差が大きいので、一概には言えませんが、もし先住猫が、眼も開いていないときから1頭だけ・人の手で育てられ、他の猫との社会化教育の時期を逸していると、かなり難しい場合があります。しかし、そのように人の手で育てられた猫がすべて難しいかというと、そうでもないので、こればかりは会わせて様子を見守るしか方法がありません。

しかし、いきなり大人の猫同士を一緒にしてはいけません。それでは、まるで「ほれ!喧嘩して良いよ!」と嗾けるようなもの。
新人猫は必ずケージに入れて、内と外で対面させましょう。
ケージはトイレやベッドを置いても余裕がある大きさ、2段以上の高さがあるものが望ましいです。
最初のうちは、ケージを丸ごと布なので覆って、なるべく暗めにしてあげる方が落ちつくでしょう。

今回のご相談者の場合は、3ヶ月という期間限定なので、もしかしたら最悪最後まで仲良しになれない可能性もあります。
もし、仲良くなれそうにないなぁ、と思えば、先住猫とは別の部屋にし、新人猫に一部屋提供しなければならないかも知れません。

とは云っても猫のこと。こちらの心配をよそに、べったり仲良しにはなれなくても、喧嘩をするほどの騒ぎを起こさないで、同じ空間を共有できる事もあります。
この辺の駆け引きは、両者の様子をよく観察しながら、時間をかけて見守るしかありませんが、少々フ~シャ~威嚇し合ってもそれ以上の喧嘩にならなければ、人が仲裁に入らない方が良い場合があります。
同居人は、何事もあまり神経質になりすぎないことが肝心です。

内にこもるストレスに注意

元々臆病だったり、神経質だったり、縄張り意識が強い猫は、新しい猫が自分の目の届く範囲にいることがストレスとなります。しかし表だって、新人さんを追いつめるだけの度胸もありません。

このストレスを、自分の体に向ける=異常に身体を舐め続けてハゲを作ってしまったり、または今までトイレ以外で粗相したことがなかったのに、粗相を始めたりと、ストレスを転換して表現することがあります。
また、新人さんに対して、なんの拒否反応も見せず、なんとなく仲良しっぽくなって安心、と思っていたら、1~2ヶ月後に先住さんがいきなり血尿して大あわて!なんてこともあります。
新人さんを素直に受け容れたように見えて、実は本にゃんも気付かないところで大きなストレスを抱えて、それが膀胱炎などの病気として表面に現れてしまうのです。
しかし、そこまでひどくなるのは、非常にまれなケースです。

「この子たち、相性がよいのね。早く慣れてくれて良かったわ~」と簡単に安心せずに先住・新人猫の両方の健康状態をこまめにチェックしてあげてください。

同じニオイにしてしまう!

なかなか馴染めなくて、大きな喧嘩はしないけれど、いつまでもフ~シャァ~大きな声を上げて威嚇しまくって、そのうち手が出る!という時は、新人・先住共に同じシャンプーを使い洗ってみてください。
猫は、ニオイで自分と他猫を認識しますので、シャンプーで今までの自分のニオイが消え、お互いが同じニオイになると、今度は混乱してしまい喧嘩どころではなくなってしまいます。
時間が経つとそれぞれ自分のニオイに戻りますが、その間も、お互いのベッドを交換したり、タオルを共用させたりして、ニオイが早く交わるようにしてあげましょう。
※もしシャンプーが難しい場合は、ケージの内外でそれぞれが使っている猫ベッドを毎日交換して使わせましょう。それによってもお互いのニオイが混ざり合い、そのうち共通のニオイになっていきます。

自分だけの空間を用意してあげましょう

その他に、お互いの姿が見えなくなるような避難場所をいくつか用意してあげてください。例えばタンスの裏の空間や、段ボール箱をおいてその中に籠もれるようにしてあげてもOKです。
生まれたときから一緒の仲良しでも、猫には時々一人きりになれる空間と時間が必要なのです。
同じ場所を共有していること、ニオイが混じっていることに気がついていても、姿が見えない、それなりに距離を保てる場所がある、というだけで猫のストレスは軽減されます。

また、同居人が働いているなど家を空ける時間が長い場合は、迎え入れる日から2~3日、自宅にいられるようにお休み前に引き取るのがベターでしょう。

同居猫が増えたせいで、変わる猫の性格

今まではベタベタ後をついて回ってきたのに、新人さんが来てからすっかりクールな猫になってしまった、とか、その反対で、とてもクールな性格だと思っていた先住猫が、急に超甘えん坊に変身。なんてこともよく見かけられます。
どちらがその猫本来の性質だったかはわかりませんが、猫もそれなりに精神状態のバランスを取ろうとしているのではないか、と思います。

ですから、尚のこと。
何事も先住猫を優先し、今まで以上に名前を呼んで、触って、構ってあげてください。
猫は、先に居着いていた猫が優先で後から来たものは待つ、という順番を守る動物なのです。
もし先住が自分よりも年下でも、新人猫は後回しにされることを当然と受け止めます。

以下、再度同居に当たっての注意事項としては
・ご対面はケージ越しで
・必ず双方の爪を切っておく
・同居人は必要以上に神経質にならないこと
・慣れるのに時間がかかるのが当然、と腹をくくること
・遊び・ご飯など、何事も先住猫を優先で

今回のご相談者は、3ヶ月のお預かりで、お別れの時名残惜しいほど仲良しになってくれていると…また別の不安もありますね。。。

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