ノミアレルギーによる皮膚炎です |
春先から夏にかけては、特に皮膚や毛のトラブルが起こりやすい時期です。
気温や湿度、栄養状態、ストレス、外部寄生虫・細菌やウイルス感染症、アレルギー・免疫低下、加齢など猫の毛や皮膚のトラブルの原因は様々です。
シャンプーを変えてフケ症になった、ということもあります。
トラブルの原因特定のカギは?
常日頃から、「いつもの」猫が過ごしている環境や様子をよく把握しておいてください。
『急に掻きむしりだした』
『しつこく、しつこく舐め続けている』
皮膚や毛のトラブルが起こり始める前に、
何か今までと違う事をしなかったか?
新しい敷物や猫ベッドを置いた?
新しい首輪をつけた?
食器をかえた?
家具を購入した?
猫の食事内容を変えた?
等々…
「いつもと違うこと」が皮膚や毛のトラブルの原因特定の鍵となる場合があります。
皮膚/毛のトラブルの一般的な治療は?
皮膚や毛のトラブルの治療は、まずその原因と思われる除去できるものを排除することから始めます。
ひどい痒みがあるようでしたら、炎症や痒みを抑える薬を処方します。
掻きむしりがひどくなって、傷口から二次感染を起こしている時は抗生剤などを使って、それ以上ひどくならないように治療します。
その他、症状に適したシャンプーや薬剤を使用したり、食事の内容を見直したり、基本的な免疫力を高めるための処方を行ったりします。
治療には痒みや炎症を抑える薬として、ステロイドがよく処方されます。
ステロイドと聞いただけで『副作用が怖い』と不安に思う人が多いのではないでしょうか?
夜も寝られないほど痒がって掻きむしっていた子が、ステロイドを処方されたらピタッと掻くのを止めて…。その劇的な効果故に、かえってステロイドを使うことにためらいを感じる同居人もいるでしょう。
ガイドはどんな薬でも使い方次第で『毒』になると思っています。ステロイドも同じです。獣医師がそれぞれの症状をきちんと把握して、計画性を持って処方するのであれば、ステロイドは怖い薬ではなく、治療に必要な薬であると思います。
皮膚や毛のトラブルは、治るまでに非常に時間がかかることが多いので、どんな場合も、どのような治療が必要か、そのためにどのような形でどんな薬を処方するかの判断は自分でくださいないで、必ず納得できるまで獣医師にご相談ください。
同居人と獣医師が足並みをそろえないと、治療はうまくいきません。
また、皮膚や毛のトラブルは猫が若いときは特にひどく、治療を行うと一時的に良くなり~またぶり返し掻きむしり出す…、を繰り返すことが多いようです。しかし、猫の年齢が高くなってくると徐々に落ち着いた時期が長くなっていく傾向がみられます。
はっきりとわかっていませんが、猫の免疫が関係していると思われます。
どんなにひどい状態になっても、いつか落ち着いてくる、と希望を持って治療を続けることが必要でしょう。