/猫関連情報

動物病院マイクロチップアンケート:後半(3ページ目)

全国1500の動物病院にマイクロチップに関するアンケートメールを送りました。回答は86件。回答率は非常に悪かったアンケートですが、獣医師がどのようにマイクロチップのことを考えているか…?!後半です。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

全国的にほとんどの保健所にチップリーダーが無い以上は、迷子になってご家族のもとに戻れるネコさんやわんちゃんはまだ「ラッキー」の域を越えないのが現状と思われます。そういう意味ではまだ時期が早い気がしないこともないのですが、方向としては装着するようになってきていますし、装着自体は悪いことではないように考えておりますので、当院でも来年よりの導入を考えております。しかし、今後多くの患者さんが装着することによって、今までは起こらないとされている様々な副作用も見られるかもしれないことも危惧されます。非常にインフォームドコンセントに苦慮する点です。やはり行なう以上はメリット&デメリット伝えるべきなのですが、どうも最近はマスコミやメーカーを中心にメリットを強調しすぎているように感じます。また、MRI検査時に画像欠損ができてしまうのもマイクロチップの弱点であると思います。今後高齢化していくなかでMRI検査を受ける機会は実際増えていくと思いますし、友人の病院にもMRIは入っていますから、非常に身近な検査になっているといえますので、この点でも一時期悩みました。
今後、血糖値と体温測定が同時にできる、GPS機能を持つ…などの付加価値のあるマイクロチップが開発されれば非常に有用なものになりますよね。
さらに一部、マイクロチップ挿入(装着)時にメーカーの「あまりいたくない」を信じて(?)無麻酔で実施される病院もあるようですが、ペインコントロール(痛みの管理)を考えると決して「痛くないわけが無い(あまり痛くない=痛いですよね)」ので、現在の獣医医療の現実を考えると利益最優先になる可能性もありその辺りも内輪としては危惧しております。
マイクロチップだけでなく、それに関連した法令の整備も平行して必要。
外国への行き来において動物検疫の手間時間が簡略できるメリット
保護された折に飼主と巡りあえる可能性が高まるメリット
挿入するときの軽い疼痛・体内に異物を入れることによる組織反応が出る可能性があるデメリット
いずれにしても今後普及していくものだから必需性は高まる。
災害時の個別識別に役立つとのことで獣医師会支部で話し合っています。
はっきり言ってこの値段ではやりたくない処置ではあります。できれば子猫のときにやってもらえると助かります。
生後半年以上の猫はおとなしい子でないと大変かもしれません。
経済的(経営的)にはあまりメリット(利益)がありません(4000円以下では)どちらかというとボランティアの要素のほうが強いように感じます。よっぽどワクチンのほうが、痛々しくなく、利益率が良いのでそっちだけにしたい気持ちは良くわかります。(リーダーの購入価格分をチップでペイするのに30頭ぐらい打たなければならないと思います。)
また、マイクロチップ証明書や検疫の証明書(英文)の作成など事務手続きが煩雑なのも嫌がられる理由のひとつだと思います。(僕も英語は苦手なので)
デメリットはなくメリットが大きいので狂犬病予防法とあわせて法律で規制してでも普及させた方がいい。
現在のままでは普及率がのびないと思う。
現在、法律で動物の海外旅行(出入国)には必須になっていますが、それだけではなく、大切なペットが迷子になったり、万一盗難にあったりした時に自分のペットである事を証明する確かな証拠になります。また、普及により捨て犬、捨て猫の防止につながり、飼主の方皆様の責任ある飼育が期待できます。
埋め込みは数秒で終わり、ほとんど傷みはありません。
またマイクロチップは生物適合ガラス管で出来ているため、拒絶反応等の副作用もありません。
個体の識別がしっかりできるのでできればしておいて欲しい。
チップを入れることに抵抗のある人は多いと思う。
動物によっては、非常に気にするかも・・・
確かに、マイクロチップを入れることで、飼い主に責任を自覚させ、捨て猫の防止になればと期待したいのですが、元々マイクロチップを入れるような方は、捨てたりしないような意識レベルの方が多いと考えますので、この点での効果は、疑問です。次に、迷子に関しては、運良く保護された場合は、効果があるでしょうね。
ただし、リーダーの普及がまだまだですので、その点が心配です。
デメリットとしては、埋め込む場合の針が、かなり太くて子猫には可哀相と思います(少なくとも、飼い主は、思うでしょうね)かと言って、沈静処置や局麻する程ではないですし・・・。
医ではありませんがAHTの私が経験上・・
マイクロチップは日本ではISO規格のものを多分皆さん使われていると思いますが、アメリカなどは州によって読み取り機が反応しないものがあるようで行き来している方にはそちらの方の獣医さんにもマイクロチップ挿入をお願いしなければならないことがあります。
読み取り機が世界共通にならないと折角マイクロチップを挿入していても飼い主さんへの手がかりにならないこともありえますのでメーカー同士の連携も必要だと思います。
また災害時に関してのアンケートをいくつかの市にとったのですが、どちらの市も読み取り機を保有していませんでした。検討を考えているようですがまだまだペットに関して言うと個人の方のほうが意識が高いといえるのではないでしょうか。
メリットのみ

アンケートのご協力下さったマイクロチップ挿入ができる全国の動物病院リンク→

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます