石田先生とボクスターくん |
物心つく前から家に猫がいました。
ずっと猫と育ってきましたね。
穏やかな昼下がり、明るい窓際に置かれたソファでリラックスしながら、猫に優しい眼差しを向ける石田先生。
先生は、よく講演の時に
『人だけが写っている写真』と『その人が動物と一緒に写っている写真』を見せます。
人だけだと、少しムスッと見える表情が、動物を抱いて写るときは、見ている側が自然と微笑んでしまいそうな暖かな表情に変わって見えます。
今回の『猫に選ばれた人』シリーズは、数々の著書でも有名な獣医師、猫の感染症の研究においての第一人者、そして日本の獣医学会に最新の情報の発信と、「人と動物の絆」を推進する日本臨床獣医学フォーラム代表・石田卓夫先生宅の猫さんたちの登場です。
最初の猫
レミーくん:1986年~1998年 ブラウンマッカレルタビー&ホワイトリプトンくん:1986年~1999年 ブラウンクラッシックタビー&ホワイト
最初の猫:レミーくん photo by Dr.Ishida |
猫との生活は長かったけど、自分の責任で自分の猫と同居を始めたのはアメリカから帰ってからです。
1982年から1985年にかけてカリフォルニア大学の研究室で、僕は猫の感染症やウイルス学・免疫学の研究をやっていました。
その研究室で実験用の猫として繁殖されていた猫の子孫の男の子と女の子を譲り受け帰国しました。実験用といってもワクチンの効果などを実証するためのものですけどね。
その2頭の猫を日本畜産獣医大学の研究室で繁殖させ、最初のお産で産まれた子猫が初代のレミーで、次のお産で産まれたのがリプトンです。
2頭とも雄です。
アメリカンドメスティックヘアーの、短毛種。
平たく云えば、アメリカの土着猫ですね。
レミーは胸と手足にホワイトが入った焦げ茶のサバトラで、少し荒々しい性格。
リプトンは、手足に白が入った、ちょっと崩れかけたクラッシックタビーの非常に優しい性格の子でしたね。
同じ組み合わせから産まれて、同じように育てたけれど、全く性質が違いました。それが猫のおもしろいところですね。
続いて仲間入り:リプトンくん photo by Dr.Ishida |
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