ケース1.オマケができちゃった
「網戸を閉めてるから」と油断するのは危険です! |
今から33年以上前のことで、当時のネコの飼い方はウチ/外を自由に出入りできるのが当たり前でした。 それでも外に出すことに本能的な不安を持っていた私は、自分の部屋だけに須美子をおいていました。
窓を開けて網戸にしていたら……
同居が始まって7~8ヶ月後の初夏の朝。とても気持ちの良い日曜日だったので、窓を開けて網戸にして、私は居間でゴロゴロ。突然、私の部屋から大きな物音が聞こえたので、あわててのぞくと……!
網戸が大きく破られていて、須美子が庭に飛び出しています! 急いで玄関から庭にまわり、「須美子」と声をかけ近づきました。いつもだったら、私の姿を見ると大喜びですり寄ってきてくれる・きっと直ぐに捕まると思ったのに、彼女は私をちらっと見てそのまま塀に飛び乗り外へ跳んで出て行ってしまいました。
まだネコについての知識が乏しかった当時の私は、彼女がなぜそんな行動を取ったのか最初理解できませんでした。
でも、その数日前から、家の周りで他のネコの唸るような鳴き声が何度も聞こえていて、そのたびに須美子は窓際で身を捩るように自分も応えていて……。
あぁ、もしかしたら、須美子はあの男(ネコ)に誘い出されたのかも!
中学3年生の私は、家出した年頃の娘を持った父親の心境で、うろたえながら大きな声で名前を呼びながら探し回りました。
※余談ですが、この時は「すみこ」って名前にしておいて良かった、と思いました。
夜になっても戻ってこない!
夕方になって、夜になっても、須美子は戻って来ず。。。
キレイに破り取られた網戸を見るたびに、恋に狂ったメスネコのパワーを侮った自分を責め悔やみ。
もしかしたら、須美子はもう帰ってこないのかな?と布団の中で泣きました。
4日後、ひょっこり須美子が庭に戻ってきました。 痩せて毛がパサパサになっていましたが、どこにもケガはない様子。 思いっきり食餌をがっつき、水を飲み、毛繕いをしてリラックスする須美子を見て、二度とこんな思いはしたくない、と。自分が部屋にいるとき以外は決して窓を開けないよう注意するようになりました。
……家出娘は2ヶ月後に3匹の子猫を生みました。
現在のように、車の事故や、ネコのウイルス性の病気は大きな驚異ではありませんでしたが、ネコが増えちゃった、というオマケができました。 不妊手術についても、まだ現在ほど一般的じゃない時代でしたからね~。
でも、大切に思っていたネコが何日も帰ってこない、もしかしたら二度と会えないかもしれない、自分がもっと注意していれば防げかもしれないのに、という思いは二度としたくありません。
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