ネコのトイレ砂、固まる砂なんだけど、今日は固まりがとっても小さいし、ポロポロ崩れやすい…オシッコの量が少ないのかしら?
やたら、局部を気にして、何度も何度もしゃがんで舐めてるんだけど…
オシッコした後を見たら、なんかいつもより色が濃くて…もしかして血が混じってるのかな?
もし、あなたのネコにこのような症状が見られたら、まずは泌尿器系の病気を疑ってください。
オシッコがでている形跡がない、あきらかにオシッコの量が減っている、
または赤茶っぽい濃い色のオシッコをする、
そしてあまり元気がない、
吐くなどの症状が見られた場合は、一刻の猶予もありません。
すぐに獣医師の診断を受けた方がよいでしょう。
さて、ではこのネコの泌尿器系の病気にはどんなものがあり、なぜ緊急を要するのしょうか。
今回と次回は、「あなたの一票」の「今までにネコがかかったことのある病気は?」で一番回答が多かった『泌尿器系の病気』についてです。
ネコの腎臓
何度も書いていますが、ネコ族は元々砂漠の出身で、水分が少ししか取れなくても乾燥に適した身体を維持することができます。少ない水分を身体の中に無駄なく行き渡らせ、そして濃縮した尿を排出するのです。しかし、これは腎臓に大きな負担をかけることになります。
腎臓という臓器は体内に吸収された後の老廃物や毒を濾過してオシッコとして出し、血液をきれいにしてくれる働きをします。また、ほかにも骨の代謝や造血、体液の平衡状態の維持などもおこなっています。
腎臓は一度機能が低下すると、元には戻らず、もし75%以上機能が低下すると尿毒症となって腎不全を起こします。
オシッコがでない→膀胱にたまったまま→膀胱破裂
オシッコがでない→腎臓の濾過機能が低下→尿毒症→腎不全
どちらにしても、一刻の猶予もない緊急事態です。
こうなる前に、「おかしいかな?」と思った時点ですぐに動物病院に連れて行ってください。
泌尿器系の病気
FUS(Feline Urinary Syndrom)泌尿器症候群は尿石症などの病気の総称として使われます。しかし、近年は尿石症だけでなく、膀胱炎などネコの下部に発生する病気も含めてFLUTD(Feline Lower Urinary Tract Disease)ネコ下部尿路疾患と呼ばれるようになりました。
・膀胱炎
一番に考えられる原因は細菌による感染症です。
しかし、尿石によって膀胱が傷つけられそこで感染が起き膀胱炎としての症状が出る場合もありますので、どちらにしてもオシッコの検査は必ずしておいた方が良いでしょう。
その上で、単純な感染症による膀胱炎だとわかった場合は、抗生剤や消炎剤を飲ませて治療します。
膀胱炎の場合、よく効く抗生剤があたると、すぐに症状が治まったように見えますが、わずかでも細菌が残っていればすぐにまた繁殖を始めてしまうので、かなり長期間(3~4週間)、良くなったように見えても薬を飲ませ続ける必要があります。
また、再発した場合は耐性菌が現れている可能性もあるので、投薬効果が見られない場合は別の種類の抗生剤に切り替える必要があるかもしれません。
膀胱炎は長毛種の方が多く見られるようです。常日頃から、トイレや寝床の清潔を保ちましょう。膀胱炎を繰り返すネコは、お尻周りの毛をカットして直接局部に当たらないようになどの工夫をしてあげてください。
こんな動作をみせたらFLUTDを疑ってください
・トイレに入って長時間出てこない
・オシッコの量が少ない
・オシッコの臭いがいつもと違う
・オシッコの色が違う
・トイレ以外のところで粗相してしまう
・トイレから出てもポタポタオシッコがたれている
・オシッコにきらきらした結晶が見える
・局部を頻繁に舐める・気にする
・自分の下腹部に向かって威嚇したり、噛みついたりする