ロシアンブルーの性格
非常におとなしいネコが多いのが事実です。発情期は別として大きな声で鳴いたりして自己主張をみせることが少ない子が多いので、マンションなどで飼うには向いているかもしれません。
温厚で、従順な性格ですが、非常に繊細な面も持ち合わせているので、子猫時代から神経質に構い過ぎない方が良いかもしれません。といって、突き放して育てるのではなく、愛情細やかに優しく接してあげてください。
大きな物音や、知らない人、環境の変化にストレスを感じるのはどのネコも同じですが、ロシアンブルーを飼うのであれば、より一層気を遣う必要があるでしょう。
飼い主との信頼関係ができると、非常に親密な愛情交換を求めてくるかもしれません。
私が知っている多くのロシアンブルーはだっこされるよりも、飼い主の肩に飛び乗る方が好きです。もしかしたら、少しでも飼い主を顔の近くで感じていたいと望むからかもしれません。
以前は神経質で、少し攻撃的なロシアンブルーが多く見かけられましたが、近年はブリーダーたちが好ましい家庭ネコとしての性格改良に努力しているので、その数は減ってきていると思われます。
しかし、子猫時代の環境は非常に重要ですから、もしロシアンブルーの子猫を手に入れたいと思われるのであれば、生後2~3ヶ月程度まで母ネコの側できちんと管理して育ててくれるキャッテリーから購入されることをお勧めします。
大人になると完全なソリッド(単色)になりますが、子猫時代はゴーストマーキングと呼ばれるタビーがうっすら現れている子猫もいます。
ロシアンブルーの手入れ
ダブルコートなので換毛期には、いつも以上のコーミングが必要となります。
ただし、無理矢理毛を抜く必要はありません。むだ毛だけを優しく取り除いてあげれば十分です。
水をはじく脂分の強い毛質ですが、この脂があるために美しいコートを維持できていますので、頻繁なシャンプーも必要ないでしょう。(去勢していないオスネコのしっぽ部分がホルモンの関係で脂でべたべたになるのとは違いますので、ご注意を)。
しっかりした筋肉を持っている方が好ましいので、どんどん遊びに誘って運動させてあげてください。元々動くのが大好きですし、非常に身軽なネコなので、様々なアクロバットをみせてくれるでしょう!
真っ白なロシアンブルーが生まれた?!
生後10日目頃 鼻先に薄いブルーカラーが出てきました。 |
生後2ヶ月頃 ポイントカラーがはっきりして、 目の色もブルーになってきました。 |
生後2歳頃 見かけはトンキニーズのようです。 |
何がどうおかしいのかわからないまま、彼女の家に行くと、生まれたての子猫3匹のうち1匹が真っ白だったのです。もしかしたらアルビノかもしれないけど、とにかく1週間くらいそのまま様子を見るように彼女に言いました。
1週間を過ぎた頃から、顔の中心部、耳先、そして手足としっぽに淡いブルーカラーが出てきた、と連絡が入りました。
「う~~ん。やっぱり出ることがあるんだね」というのが私の感想。
ロシアンブルーは最初に書いたように、劣性のカラー遺伝子とパターン無しのはず。それなのになぜシャム猫のようなポインテッドカラーを持った子猫が生まれたのか?
※ポインテッドカラーとは:鼻先・耳先・足先・しっぽのみに濃い色が入っているカラーで、目はブルーです。
ほとんどの血統ネコたちが、革命や二度の大きな戦争で減少しました。その種によっては、その種としてのスタンダードを存続させるのが難しいほどジーンプール(血統)が少なくなってしまったのです。
ロシアンブルーもその例に漏れず、近親交配を避け、より健康なロシアンブルーを作り出すために、他の種類のネコの血統を入れざるを得ませんでした。
世の中が安定してきて、またキャットファンシャーたちが活動を再開し次の世代のロシアンブルーを作り出すために、彼らは一時期シャム猫(サイアミーズ)やブリティッシュブルーをロシアンブルーと交配させたのでした。
このシャム猫のポインテッドカラーも劣性遺伝子なので、表面的にポインテッドカラーでなくても、脈々とその遺伝子を受け継いだ子孫が残っているわけです。
何という偶然か、友人の両親ネコの血統書にかかれている祖先のネコたちは全部違う固体だったにもかかわらず、お父さんネコもお母さんネコも、このポインテッドの劣性遺伝子を持っていたため、ポインテッドの子猫が生まれてしまいました。
※ポインテッドカラーの子猫はほとんど真っ白で生まれてきます。
お母さんの体の中で全身が同じ温度に温められているうちは真っ白なのです。しかし、生まれてから徐々に体温が均一でなくなってくると、鼻先・耳先・手足・しっぽなどの体温が低くくなってきた部分にカラーが出てきます。
現在も繁殖に使われているロシアンブルーたちのどの子にこの遺伝子が残っているかは、まったくわかりません。友人のところのように偶然マッチングして生まれない限り調べる方法がないからです。
ロシアンブルー同士の掛け合わせから生まれた、ポインテッドカラーの子猫はロシアンブルーとして登録することはできません。
ただし、まったく健康に問題があるわけではないのですから、早まったことを考えないでください!ロシアンブルー同士から産まれたポインテッドの子猫には、遙か昔のその種のネコが持ち合わせた歴史と遺伝の神秘を感じることができます。
もし、仮にポインテッドの子猫が生まれてしまったら…両親ともにポインテッドの遺伝子を持っていることは間違いがないので、今後は繁殖ラインからはずす方が無難でしょう。
ちなみに、友人のところで生まれたポインテッドカラーの子猫は、16歳の現在も健康で別の友人宅で幸せに暮らしています。
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■-----参考リンク-----■
取材協力:Starchildロシアンブルー
russianblue.net
ロシアン ブルー 飼育のコツ
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