ロシアンブルーは、一説にロシア北部のアーケンジェル島が起源ともいわれ、イギリスで現在の形に近い血統ネコとしての基礎が作り出されてきました。その昔はロシアの皇帝やイギリスやフランスの貴族に愛され珍重された美しいグリーン色の瞳を持つ、優雅で物静か、気品あふれる短毛の中サイズのネコです。
発祥の地がロシア地方といわれているだけに、短毛ですが上等な段通の絨毯のような密度の高いダブルコート（上毛と下毛からなる二層の被毛）で、毛の感触はシルクのように滑らかです。
ロシアンブルーは体型的には非常にスリムで華奢な骨格をしていますが、ダブルコートのおかげで冬季は少し太めに見えることがあります。
先にも書きましたが分厚いダブルコートは非常に豪華で、指で毛を撫でると筋が残るほどです。
ブルーのネコの秘密
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とても美しいシルバーティッピング 毛が光り輝いて見えます！ |
ロシアンブルーの「ブルー」とは、その被毛の色の事ですが、ネコのカラーでブルーと呼ばれる色は、普通一般的なブルー＝青とは違い、若干青みがかった灰色（グレイ）の毛色のことをいいます。
ブルーカラーが代表的な純血種は、このロシアンブルーの他にシャルトリュー、コラットなどが知られています。が、同じブルーでもネコ種・または個体によってブルーの濃淡が違ったり、微妙に暖かみのある灰青色もあれば、冷たいステンレスを思わせるクールなブルーネコもいます。
どちらかというと、ブルーのネコはアメリカよりヨーロッパの方が好まれる事が多いように思います。
ロシアンブルーの場合は、毛先に銀色のティッピング（毛１本が根本から先端まで同じ色ではなく、先端に別の色が混ざっている場合に使う名称）があり、光が当たるとこれがシルバー～半透明に反射して全身が光り輝いて見えます。ショーの世界では、淡い（ブルーグレイが白っぽい）ロシアンの方が高い評価を得ます。
このブルーというカラー遺伝子は、ブラック（黒）のカラー遺伝子が希釈された劣性遺伝子です。遺伝には優性遺伝と劣性遺伝があることをご存じでしょう。優性遺伝であれば、両親のどちらか片方がそのカラー遺伝子を持っていれば同じカラーの子猫が生まれますが、劣性遺伝の場合は、両親両方がそのカラー遺伝子を持っていないと生まれません。子猫は必ず遺伝子を両親ネコからそれぞれ一つずつもらってくるからです。
また、ロシアンブルーのようにタビー模様がないネコをソリッド（単色）といいますが、これも劣性遺伝です。
ですから、ロシアンブルーのようなブルー一色の模様がないネコは、両親両方がブルー遺伝子とソリッド遺伝子を持っていなければ生まれてきません。
※ネコの毛色の遺伝については、また別の記事で詳しく書きたいと思っています。
ロシアンブルーの顔かたち
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このグリーンの瞳に勝る 宝石はないでしょう！ |
顔は、７つの平面からなる変形の楔形をしています。
７つの平面とは
１．鼻先からあご先にかけての垂直なライン
２．鼻先から額にかけての横顔
３．額の後頭部から頭頂部にかけて
４＆５．左右のマズル（口吻）
６＆７．左右の頬骨から耳の下にかけてのライン
を指します。
耳は耳の根本の幅と高さがほぼ同じで、やや大きめの耳が離れ気味についています。先端はとがって見えますが、わずかに丸みがあります。
目はほぼ円形で大きめ。ロシアンブルーの顔の大きな特徴の一つに、この目が離れてついているということがあげられます。そして目色は必ずグリーンで深い鮮やかな新緑のような濃い色が良いとされます。青みがかったグリーンアイは、あまり良くないとされています。
※子猫時代（生後２ヶ月くらいまでは、キツンブルーと呼ばれる灰青の目色ですが、生後３ヶ月頃より瞳孔の周りに徐々にグリーンが出始めます。たいていの子猫は生後６～７ヶ月頃には、かなりグリーンの面積が広くなっているはずです）
口元にも大きな特徴があり、口元の端がわずかに上がっているので、それが微笑んだような表情に見え「ロシアンスマイル」と呼ばれます。
肩が上がっているのと、分厚いコートのせいで首が短く太く見える子もいますが、実際は細く長めの美しいネックラインを持っています。
