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クシャミ(唾、たん、鼻水ほか)や涙、汗、排出物(便や尿)、血その他から排出されたウイルスは、口、鼻、目、耳や尿道、肛門などや、皮膚の汗腺などの穴、その他極小の傷口から侵入します。 体内に入り込んだウイルスは、細胞と結合して細胞内へ侵入してゆき自分の遺伝子のコピーを大量に作り、感染を広げていきます。 しかし全てのウイルスが、全ての生物に同じように侵入できるわけではありません。 このように基本的にウイルスが侵入できる種は限定されていますが、種の中にはどちらのウイルスにも反応してしまうものがあります。 インフルエンザウイルスのレセプターは大きくα2-3とα2-6の2種類に分けることができます。 ヒト以外の動物は通常α2-3ですが、ブタだけはα2-3とα2-6の両方を持っています。このようにブタ(その他にはアザラシ、鯨、ミンク、フェレットなど)は鳥のインフルエンザウイルスにも、ヒトのインフルエンザウイルスにも感染します。ブタが、両方のインフルエンザウイルスに感染するとその細胞の中でウイルスの遺伝子が混ざり合い、今まで存在しなかった別のタイプのインフルエンザウイルスが発生する可能性があります。今世界中が恐れているのは、このような新しいインフルエンザウイルスの発生です。どの生物もこのインフルエンザウイルスに対する抗体を持っていないので、もし発生したら多くの犠牲者が出ると予想されています。 現在世界中で鳥インフルエンザに対して防疫体制が強化されているのは、このような新しいウイルスの発生を抑えるためのものです。 |
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