◆2)トイレトレーニング |
猫は元々、同じ場所で用をたして砂に埋めたい、という本能を持っていますので、犬に比べてトイレのトレーニングは楽勝です。
飼われていた成猫なら、大抵はトイレの場所を教えるだけで大丈夫です。その子がトイレでした砂を分けてもらって新しいトイレに置いておけば尚完璧です。
子猫の場合は、トイレに行きたくなるとそわそわして床の匂いを嗅ぎ回るようになりますので、そのタイミングで砂のある所に連れて行ってトイレに座らせてください。砂の匂いを嗅ぎながらざっざっざっとかき始めるはずです。そこでちゃんとできるまで見ていて、ちゃんとできたら猛烈に誉めてあげてください。2-3度繰り返せば覚えてトイレでするようになります。
先住にトイレトレーニングのできている猫がいる場合には、人間が教えなくても猫が教えてくれるらしく、うちで生まれた子猫たちは私が躾けしなくても全員気付いたらトイレでしてくれるようになっていました。子猫がわらわらトイレで用足ししてる姿は、ものすごく可愛かったです。
また、トイレの高さぎりぎりの大きさしかないのに、「よいしょ、よいしょ」という感じでトイレに入って行く様は、言葉にできないほど可愛いです。
万一トレーニング中に、トイレ以外の場所でしてしまった場合には、綺麗に拭き取って臭い消しで臭いを完全に消してください。
どうしてもトイレでしてくれない、または時々粗相するという事でしたら、秘尿路系の病気かトイレが気に入らない(暑い、寒い、臭いがこもる、落ち着かない、汚れている、など原因は様々)か、新入り猫が来るなどしてストレスが溜まっている事が考えられますので、その原因を取り除いてあげて下さい。
また、どうしてもここにはされたくないと言う場所には、動物病院で買える猫のフェイスフェロモンを使った「フェリウェイ」というスプレーがあるので、それを使ってみてください。
猫はその匂いのする場所は「気持ちいい場所」として認識するので、そこでは排泄しなくなります。
本猫はトイレできばってるつもりなのに、トイレの外にこぼしてしまう場合は、これはもう直せませんので飼い主さんが工夫してあげてください。
尚、希にオス猫で「自己主張」の為にトイレのすぐ脇で用足しする子がいますが(うちでは桃太郎がそうです)これも躾けでは直せませんので、飼い主さんの方で方法を講じてあげてください。
◆3)爪研ぎの勝負は子猫のうち |
猫はどうして爪研ぎするのでしょう。
ひとつには、とがった爪先をキープするために、爪の構造上新しい爪が出てくると古い爪をはがすためです。
そしてもうひとつにはマーキングの意味もあります。
私の猫飼い友達の多くは、爪研ぎ器を用意しつつ、半ば諦めいて、どうしても爪研ぎされたくない家具や柱などだけ保護している、という人が多いようです。
(うちも7匹までの時は躾けしていたのですが、最近は諦めていて「引っ越す時に変えればいいや」くらいに思ってあんまり叱っていません。)
爪研ぎ器は、個体によって好きなものが違います。ダンボールが好きな子もいれば、麻縄が大好きな子もいます。市販のものや、ダンボールで作ったお手製のものなど、色々試してその子にあった爪研ぎを用意してあげてください。
これもトイレと一緒で、爪研ぎしてはいけない所で爪を研ぎ始めたら、ダメと叱ってから爪研ぎに移動させます。爪研ぎをさせたくない所にフェリウェイをふきつけておくのも効果があります。
なお、これは余談ですが、アメリカでは猫に爪研ぎをさせないようにと爪を抜く手術を受けさせる人がいるようですが、私はこれには断固反対です。
爪を抜く、というだけでも人間に置き換えたらかなり恐ろしい事ですが、実際は猫の爪を抜くというのは人間で言うと、第一関節から切り落とすのと同じ事だそうです。
確かに人間と一緒に暮らすのだから、人間社会のルールを守ってもらう事は必要な事ですが、そこまでして強制するのはペットではなく「奴隷」だと私は思います。
こちらも忍耐強く躾けをして猫に覚えてもらう。どうしてもダメなら智恵のある人間の方がそれを防ぐ方法を考える。それがペットとの共存、であろうと思います。