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犬の周りにある危険なもの(2ページ目)

人間は大丈夫でも、犬が食べると中毒作用を起こすものもあります。知られているようでいて、意外に気にしない飼い主さんもいるようですね。そこで、今回は、犬に与えてはいけないもののお話を。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

犬には危険なもの/薬品系編

アジサイ
アジサイも中毒を起こす花の一つ。何でもパクパク口にしてしまうコは注意を。
薬品系は、気をつけていても、万一誤飲などされた場合、命取りになることがありますので、保管にはくれぐれも気をつけましょう。また、ノミ取り首輪などに含まれる成分などについても、使用する前に一度チェックをしておいたほうが安全でしょう。

タバコ
有害成分:ニコチン
症状:嘔吐、下痢、ヨダレ、興奮状態、幻覚・幻聴、痙攣など。最悪、死に至ることも。
口にしてから、1時間は経たない程度の短時間にて中毒症状が発症。

殺虫剤
有害成分:有機リン化合物など
症状:ヨダレ、嘔吐、下痢、流涙、痙攣、興奮状態、呼吸困難、瞳孔縮小など。最悪、死に至る。

除草剤
有害成分:有機ヒ素、パラコートなど
症状:嘔吐、下痢、血便、興奮状態、ヨダレ、痙攣、呼吸困難など。急死することも。

漂白剤
有害成分:次亜塩素酸ナトリウムなど
症状:ヨダレ、嘔吐、腹痛、下痢などの他、眼に入った場合は充血、眼の痛み、失明など。

農薬
有害成分:有機リン、パラコート、カーバメイトなど
症状:ヨダレ、嘔吐、呼吸困難、痙攣など。死に至ることも。

風邪薬や鎮痛剤など
有害成分:アスピリン、アセトアミノフェン、フェナセチンなど
症状:嘔吐、腹痛、呼吸困難、チアノーゼ、吐血、肝機能障害、腎機能障害など。

この他にも、洗剤や蚊取り線香、化粧品、不凍液……など、気をつけたいものはたくさんあります。

犬には危険なもの/生き物編

アロエ
大量に摂取をすると、腎炎を起こしたり、尿が赤くなることがあり。
生き物に接触することで、中毒反応を起こすものもあります。

ヒキガエル
有害成分:ブフォトキシン
症状:吐き気、運動麻痺、呼吸困難、痙攣など。
ヒキガエルの皮膚や耳下腺に毒素があり。万一、ヒキガエルを口の中に入れていたりした場合は、口の中を水で洗って、動物病院へ。

マムシ
有害成分:ブラジキニンなど
症状:患部の腫脹、嘔吐、下痢、呼吸困難、しびれ、意識障害、血圧低下など。
マムシは土手など散歩コースに出没することも。知らずに踏みつけて噛まれることもあるので、そのシーズンには注意を。

中毒か?と思った時には

トマト
熟したものは大丈夫。茎や青い部分に含まれるソラニンという成分が、中毒作用を起こすことがあり。
食べ物にしろ、植物にしろ、何か危険なものを口にしてしまった場合は、どう対処したらいいのでしょうか?気持ちはパニックですが、少しでも落ち着いて、何を口にしたのか、確認するようにしましょう。理想は、少しでも早く動物病院へ行くことですが(その時に、口にしてしまったものを持参できるようなら持参します)、すぐには病院へ行けない場合もあります。

一刻も早く、危険なものを体外に出してあげたいところですが、何でも吐かせればいいというわけではなく、中には、吐かせては逆に危険な場合もありますので注意してください。

例えば、焼き鳥の串、針、電池、鳥の骨など、こういったものは吐かせることで、器官を傷つけてしまうことがあります。また、漂白剤、殺虫剤、防腐剤などの類いは、素人判断で吐かせたりすると、気管に入ってしまったり、食道などを傷つけることがあって危険ですので、すぐに病院へ行くようにしましょう。もう一つの判断材料として、すでにぐったりしているコを吐かせるのも危険です。

吐かせるには

では、吐かせるには。

小型犬で小さじ半分~1杯程度の食塩を、直接舌の上に置いたり、歯茎につけたり、少し溶かして飲ませます。塩辛くなって水を飲み、そして吐く、ということになりますが、これは元々腎臓や心臓に持病をもつコにはかえって危険ですので注意を。

また、オキシドール(体重1kgで1~5cc程度)を飲ませるという手もあります。しかし、塩にしろ、必ずしもうまく吐けるとも限りません。

その他、牛乳を飲ませて毒素を薄めるといった方法もありますが、薬品などによっては、かえって体内に毒素が吸収されてしまうこともありますので、判断に迷う時には、とにかく病院へ急ぎましょう。

身の回りを安全に

ガイドの知り合いの愛犬で、散歩中に草むらに撒かれていた除草剤を舐めてしまい、危うく命を落としそうになったコがいます。以来、怖くなった飼い主さんは、そのコに口輪をつけて散歩に出るようになりました。

意外に危険なものが身の周りにはたくさんあります。一度、室内や散歩コースなど、愛犬の周囲の品々を、そしてその環境を、チェックしておくといいでしょう。気を配ること、これが何よりの予防ですから。



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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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