「社会化の大切さをより多くの人に知って欲しい」
子犬をダッコする時は、縦抱きではなく、横抱きにしたほうが犬は安心する。 |
「インストラクター、またトレーナーが共通して感じているのは、飼い主さんからしつけに関する悩みについて相談を受けることが多いわけですが、その中で社会化が不足していると思われるケースが目立つということです。ただでさえ日本では幼齢犬で手に入れるケースが多く、家に迎えた時点で社会化が不足しているにも関わらず、加えて、飼い主さんに社会化の知識がなく、大事な時期を何も施さずに過ごしてしまい、気がつくと何かしら問題が起こっている。それを解決するためにはどうしたらいいか。それには、社会化の大切さについて、もっと多くの人に知って頂く必要があると思ったのです」
そのために、『PUPS』では、全国各地でパピーパーティーを開くことにしたそうです。
趣旨に賛同する人達の輪
子犬が興奮して吠えた時には、片手で顔を覆ってしまうと効果的だそう。 |
開催場所となるのは、動物病院だったり、ショップだったり。同じく、趣旨に賛同して場所を提供してくれているとのこと。それは企業にまで及びます。実はこのパピーパーティー、フードメーカーの『日本ヒルズ・コルゲート株式会社』と生活関連商品を扱う『花王』が協賛しており、参加費用が無料で行われているのです。
犬との暮らしの基本を学ぶ入り口に
「君は誰?」「ボク(ワタシ)はこういうものです」と犬同士のご挨拶。 |
「その一回で、犬と接する時の注意点や基本的な考え方などを知って頂き、“環境・音に慣れる”“知らない人に慣れる”“子犬同士のセッション”という3つのプログラムを体験して頂きます。要は、社会化とはどういうものなのか、どうやって社会化に取り組んだらいいのか、基本的な部分を飼い主さんに勉強して頂く内容となります。そこで覚えたことを、今後の生活に取り入れてもらえたら嬉しいですし、それが目標でもあります。私達はこれから子犬と生活を始める方々にとっての入り口を作る役目を担っている、そう言ったらいいでしょうか」(吉川さん)
しかし、一回とはいえ、パピーパーティーに参加をするとIDナンバーが発行され、それ以後半年間、獣医師やインストラクターにメールや電話で無料にて相談することができるというのは大きなポイントになるところでしょう。
『PUPS』主催のこのパピーパーティー、昨年度の開催数は140回、今年は約50会場で、7月までの間にすでに106回を開催しているとのこと。これまでに参加した頭数は、昨年度1017頭、今年は7月までで731頭にのぼり、開催数・参加頭数ともに昨年の倍以上のペースで増えています。
では、実際のパピーパーティーとは、どんな様子なのでしょうか? それについては、次のページへ。