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羊毛と犬の毛から作れる“愛犬の分身”(2ページ目)

一大ブームを作った“フリースドッグ”。その生みの親であるSINCOさんにご登場頂きます。どこからフリースドッグが生まれたのか? その想いは? 作品を拝見しながら、作り方も伝授して頂きました。

大塚 良重

大塚 良重

犬 ガイド

犬専門ライター歴25年以上。1頭の犬との出会いが人生を変える。愛犬への感謝を胸に、ライターへと転身した後、犬専門月刊誌や新聞での連載や、取材記事、書籍、一般雑誌、web等で執筆。特に犬の介護、シニア犬、ペットロスはライフワークテーマで、「犬と人との関係」に最もアンテナが動く。信条は、“犬こそソウルメイト”。

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偶然のひらめきから生まれた“フリースドッグ”

CJ君がモデルとなったフリースドッグ
CJ君がモデルとなったこのフリースドッグには、実際にCJ君の毛が使われているそう。
先代Charlie君の名を引き継いだ、Charlie JuniorことCJ君との生活は日々笑いが絶えないようで、自分の耳を踏んで歩いたり、道路の側溝に脚を取られながら歩く様を話して下さるSINCOさんの口から出た「静かにおバカさん(笑)」という言葉に、深い愛情と幸福感を感じるばかり。

そんなSINCOさんが、フリースドッグとどう出会ったのでしょうか? 

SINCOさんは、元々お花のお仕事をなさっていたそうです。大手花店「日比谷花壇」で花々に触れるうちに、海外のお花屋さんで見識を広げてみたいという想いが募り、一路アメリカのボストンへ。そこでトピアリーというものを知ることになります。帰国後は持ち前の感性と立体把握能力を生かし、トピアリーで様々な作品を発表するようになりました。自分のブランドを持ち、個展を開くまでに。1999年にはNHK「おしゃれ工房」にも出演なさっています。

しかし、芸術家には次のステップを踏むために、行き詰まりというものはつきもの。トピアリーで作った犬の数が増えたこともあって、それで絵本を作ろうと計画をしていたSINCOさんですが、今一つ何かがしっくりこない日々を送る中で、お友達から羊毛をもらったそうです。

すでに、羊毛でマットやスリッパを作る技法は知られていましたので、同じ要領でトピアリーの犬達に首輪でも作ろうかと羊毛をあれこれいじっているうちに、ふとあることに気がつきました。

「これって、CJと同じ毛色じゃない! 立体ものが作れるかも!」

さぁ、フリースドッグの誕生です。

「やばい楽しさ!」

本物そっくりなプードル
プードルの巻き毛の感じが見事に表現されている。
SINCOさんはいきなりCJ君を見ながら、手に持った羊毛で犬の形を作り上げていきました。それはもちろんCJ君を再現したもの。

「犬ができちゃうじゃない! すっごく楽しい! やばい楽しさだと思いました(笑)」(SINCOさん)

それから、まずはどれだけの犬種が作れるものかと、犬種作りに勤しむ毎日。だいたいの犬が作れるとわかったあたりから、細かいテクニックも生まれ、フリースドッグとしての地盤が築き上げられていきました。次に、またあることを思いついたSINCOさん。

「CJのブラッシングで抜けた毛を見ていて思ったんです。これを捨てるのは勿体ない。羊毛に混ぜたら、その子のオリジナルのものが作れるんじゃないの?と」(SINCOさん)

次のページでは、海外進出のお話、そしてフリースドッグの楽しさなどについて。
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