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羊毛と犬の毛から作れる“愛犬の分身”(3ページ目)

一大ブームを作った“フリースドッグ”。その生みの親であるSINCOさんにご登場頂きます。どこからフリースドッグが生まれたのか? その想いは? 作品を拝見しながら、作り方も伝授して頂きました。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

本を出版、そして海外に進出

思わず鼻をツンツンしたくなるパグ(笑)
皺の感じといい、小首を傾げたポーズといい、パグの持ち味がよく出ている。
SINCOさんの凄いところは、それだけで終わらなかったこと。「この楽しさを多くの人に知って欲しい」と、企画を出版社に持ち込み、2004年には『フリースドッグ』(文化出版局)のタイトルで、デザインから全てにこだわった、想いがたっぷりの本を出版。じわじわと犬好きはもちろん多くの人に知られていく中で、同年には再度NHKの『おしゃれ工房』にも出演されました。

犬好きの間に国境はなし。フリースドッグはやがて海外に渡り、犬好きが多いことで知られるヨーロッパやアメリカの人達をうならせたのです。海外のプロモーションでは、TV出演にワークショップ……と忙しいスケジュールの中、徹夜で有名人の愛犬達をフリースドッグで作り、ご本人達にたいへん喜ばれたそうです。イギリスにおいては、SINCOさんの手によりフリースドッグをチャリティーオークションに出し、収益金を動物愛護施設である『バタシードッグホーム』に寄贈されたとか。

「犬達から多くのものをもらっていますから、自分にできる形で彼らにそれを還元できたら幸せなことだな、とその時強く感じました」(SINCOさん)

今現在、SINCOさんの本は、アメリカ、イギリス、フランス、スウェーデン、フィンランドの5ヶ国で翻訳出版され、多くの人達にフリースドッグが愛されています。

フリースドッグの楽しさ、そして難しさ

とってもキュートなチワワ
このフリースドッグには、モデルとなった子の本物の毛が入っているのだとか。
さて、フリースドッグの楽しさとはどんなところにあるのでしょう?

「全く同じ材料を使っているのに、2つとして同じものができないことですね。犬の表情やポーズは、独特のくすぐられポイントを表現できるようにといつも思っていますが、それがうまくできた時には一人でニンマリしていますよ(笑)。特にそれが注文品であると、オーナーさんに渡したくないくらい愛着を感じてしまって(笑)。いつかは個展を開きたいと思っているのですが、是非、そういった表情を見て頂きたいです」(SINCOさん)

では、逆に難しいところは?

「型というものがないので、一般の方の場合は立体の把握能力の差によって仕上がりが違ってくるというところでしょうか。説明書どおりに作ったとしても、でき上がったものにはかなり違いが出てくる。逆に言えば、そこにその方の個性がプラスされ、たったひとつの味わい深い“我が子”になるんです」(SINCOさん)

なるほど、フリースドッグの魅力は犬の個性同様、千差万別、無限大ということですね。そんなフリースドッグにかけるSINCOさんの夢は次のページへ。
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