フード選びはライフスタイルと愛犬の年齢や健康状況などを考えて。時々は健康チェックも。 |
しかし、これさえ食べていれば絶対に大丈夫というものは恐らくありません。年齢や健康状態、飼い主さんの生活状況などによって食事内容は変わってきます。
フードを選び方のポイントは「年齢・健康状況・生活スタイル」「安全性」「健康チェック」「考え過ぎずに、楽しむこと」の4つ。考え方・状況次第で、どんなものを与えるのかは変わってきます。5組の飼い主さんに、それぞれのフード事情を伺いました。あなたにあったフード選びの参考にしてみてください。
簡単便利で栄養バランスにも優れたドッグフード
「ドライタイプ」「セミモイストタイプ」「ウェットタイプ」と水分の含有量によって大きく3つに分けられるドッグフード類。中でも最も一般的なのはドライフード。手間がかからず、保存も長めにでき、わりと安価なのが特長です。缶詰やウェットタイプなどでも、最近ではフードと水のみで必要な栄養素を満たすことのできる主食目的の「総合栄養食」をうたうものも増えてきました。各メーカーの企業理念や内容物をチェック・比較して、自分が納得できるものを選びましょう。栄養基準には、日本のペットフード公正競争規約で準拠しているAAFCO(American Association of Feed Control Officials:アメリカ飼料検査官協会)の基準や、NRC(National Research Council:国家研究協議会)の基準があります。
総合栄養食であることを表示するには、分析試験や定められた給与試験の結果によって証明されている必要があります。原材料として単品で10%以上含まれるものは必ず表記しなければなりません。また、原材料に「ビーフ」など、特定の素材を表記できるのは5%以上内容量に含まれる時のみ。それより下回る場合には「ビーフ味」「ビーフ入り」「ビーフフレーバー」というような表記になります。
ドッグフードには総合栄養食以外にも、おやつとしての「間食用」、嗜好増進や特定の栄養を調整する目的をもつ「栄養補完食」などがあります。どのタイプなのか、原材料に何が入っているのかを確認することもフード選びの基準の1つです。
ドッグフードの保存料・合成添加物は要確認!
ドライフードを例に挙げれば、封を開けた瞬間から空気や光などによって、少しずつフードの酸化が始まります。そのため、ドッグフードにも酸化防止剤や保存料などが使われることがよくあります。犬は脂肪に対して嗜好性が高いことから、フードには脂肪がやや多めに含まれています。油脂を構成する不飽和脂肪酸は酸化しやすく、体内に取り入れられた後も酸化は止まりません。酸化で生じる過酸化物は細胞膜にダメージを与え、老化の促進・癌・免疫力の低下・心臓病……など様々な形で影響を与えます。
そこで、酸化に対抗する作用を持つビタミンEやCなどが、酸化防止剤として添加されています。微生物の増殖による腐敗を防ぐための保存料など、食品添加物にはほかにもいくつか種類があります。特に合成添加物に含まれる「BHA」「BHT」「エトキシキン」「プロピレングリコール」「亜硝酸ナトリウム」などは発癌性やアレルギー、内臓の機能障害などが報告されているので、こうした合成添加物が入っていないかも確認しましょう。
最近では、自然派の酸化防止剤として「ミックストコフェロール」(ビタミンE)や「クエン酸」などが使われるようにもなっています。また、保存料無添加をうたうフードも出てきていますが、長期の保存には向かないようです。封を開けたらなるべく早めに使いきるようにしましょう。
次ページでは、手作り食についてご紹介します。