寺・神社/季節ごとのおすすめ寺・神社

祭、縁日、お盆。日本の夏を楽しむイベント(3ページ目)

日本は祭りの国で、とりわけ夏の間に、有名な祭りが数々行われます。盆踊りや縁日も楽しいものです。今回は、なぜ夏に祭りが多いかという謎解きと、代表的な祭りのスケジュールなどをお送りします。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド


夏にお祭りが多いのは
お盆が夏だからという理由も

東京、千住の勝専寺で7月のお盆に行われる閻魔様の縁日
日本の夏で一番大きなイベントは、やはり、昔ながらのお盆です。お盆はもともと盂蘭盆という仏教用語からきています。この時期には、ご先祖様の霊がこの世に帰ってくるとされ、各地域や家庭で、いろいろな行事が行われます。

お盆は、旧暦の7月15日を中心とします。一般に「お盆は8月中旬」と思われているようですが、それは新暦に直した場合のことです。実は、東京は旧暦にしたがっており、正しい東京のお盆は7月15日なのです。


お盆には、閻魔様にもお会いできます
そのため、東京のお寺関係の行事は7月中に行われることも多いです。たとえばこの写真の、千住の勝専寺などは、7月15日と16日に閻魔さまの像が開帳され、露店が並んで賑わいます。閻魔様は、地獄とこの世の境目にいらっしゃる方なので、亡くなったご先祖様が帰って来るお盆の日にお会いするのは、理にかなっているわけです。


盆踊りは
ご先祖の霊を慰めるためのもの

盆踊りは、お盆に帰ってくるご先祖様の霊を慰めるために行われます
盆踊りの起源も、この風習に根ざしています。お盆にもどってきた精霊を慰めるため、お盆の供養のおかげで成仏することのできた死者たちが歓ぶ姿をあらわしたもの、お盆にもどってきた霊たちを踊りながら見送るため、など、いろいろな説があるのですが、いずれにせよ、仏教に深いかかわりがあるので、昔から、お寺の境内で行われることが多かったようです。

今では、正式なお盆の期間とは違う時期にも、町内の人の楽しみとして行われるようになり、東京でも、夏休みの期間中に、あちこちで盆踊り大会があります。近所で行われる際は、ぜひ、皆さんも参加してみてください。

東京、芝の増上寺では、東京タワーを眺めながらの盆踊り大会が行われます


最後に、縁日とは何かというお話を

縁日の一番人気は、やはり金魚すくいでしょうか
ところで皆さんは、「縁日」と聞くと、さまざまな露店が並ぶ様子を想像されるかも知れません。しかし、実はこの縁日という言葉も仏教から来ているもので、特定の仏様とのご縁を結ぶ日のことです。普段の日でも、仏様にお参りすればご利益がありますが、縁日の日にお参りすれば、そのご利益が倍増するということで人が集まり、その人たちを目当てに、お寺の境内や周辺にお店が立つようになったのです。

今ではお祭りにつきものの縁日には、実は、そのような深いいわれがあるので、ただ、たこ焼きを食べたり金魚すくいをするだけでなく、まず、お参りしてください。でないと、せっかくその日にお寺に行く意味がないというものです。


食べ過ぎておなかをこわさないようにご用心
●骨董市などが行われる縁日のお話については
お寺と神社の新しい遊び方 骨董市巡り
もごらんください。

●東京のお寺や神社のイベントについては
">「お江戸寺町散歩」(集英社be文庫)
お寺で遊ぶ 東京散歩(新宿書房)
にも、詳しい解説があります。

●「神社、寺めぐり」では、毎月2回、メールマガジンを発行中です。ガイドが最近旅した時のエピソードなどを添えたコラムや、今後、取材する予定の神社やお寺の情報をお届けします。購読を希望される方は、下記よりお申し込み下さい。

「神社、寺巡り」メールマガジン申し込み、バックナンバー一覧

たくさんの方の申し込みを心よりお待ちしています。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます