寺・神社/東京の寺・神社

大宮八幡宮で珍しい七夕のルーツを見よう

なぜか東京のヘソと呼ばれる杉並区の大宮八幡宮。こちらでは、世にも珍しい七夕のルーツを見ることができます。7月15日までと期間も長いし、周辺の森も涼しいので、プチ避暑にお出かけになってみては。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

大宮八幡宮は
東京のヘソだって知ってました?

大宮八幡宮の七夕は、笹飾りも巨大です
日本中探しても、めったに見る機会のない七夕のルーツを見られる大宮八幡宮は、東京の杉並区永福というところにある大きな神社です。地元の方以外には、さほど知名度は高くないかも知れませんが、実は、有名な鎌倉の鶴丘八幡宮と同じくらい古い由緒があるということです。

平安時代末期、奥州(東北地方)に乱が起き、この乱を鎮めよとの勅命をうけた鎮守府将軍・源頼義公の軍がこの大宮の地にさしかかると、大空には白雲が八条にたなびいて、まるで源氏の白旗がひるがえるような光景となりました。源頼義公は、乱を鎮めた暁には必ずこの地に神社を構えることを誓って、武運を祈り出陣されました。その結果、見事にこの乱を平定され、京都の石清水八幡宮より御分霊をいただいて、ここに神社を建てました。

というわけで、こちらは鶴岡八幡宮と同じような源氏ゆかりの神社で、東京の神社でも希に見る歴史的な価値が高いところです。また、この神社は、自ら「東京のヘソ」と名乗っておいでです。東京のヘソと名乗る場所はほかにもいろいろとあるみたいですが、こちらがヘソである根拠は、「東京の人口の重心がここにある」というようなことです。んんん?何だかよくわからないけれど、ともかくここがヘソと思えば、ありがたみも倍増、かな?



避暑地に来たような
雰囲気のあるところです

うっそうと茂る鎮守の森が、東京離れした雰囲気です
大宮八幡宮は、善福寺川沿いの高台にあります。東京23区内とはとても思われないような深い鎮守の森が広がり、真夏に行っても、涼しく感じます。ところどころに竹林もあって、まるで京都の嵯峨野みたい。

善福寺川の向こうは和田堀公園という池のある公園になっており、こちらも、木々が茂って、避暑地のような雰囲気です。朝夕には、ウォーキングの途中でひとやすみする人も多く、地元民たちの憩いの場となっています。

大宮八幡宮周辺は渓谷のような風景
わたしも、このあたりの静けさが大好きで、時々散歩に来ます。その際のお勧めは、以前もご紹介した堀之内の妙法寺に行き、その後、善福寺川に沿って歩いてここまで来るコースです。この川沿いには、旧石器時代から人が暮らしており、その後の弥生時代などの遺跡もあります。つまり、このコースは、東京では珍しいほど充実した、歴史歩きの道なんですね。

●季節の花と落語の会が楽しい堀之内の妙法寺の情報は、こちらもごらんください。
大宮八幡宮から、川べりの道を歩いて行けます。
お江戸の人気寺でアジサイと落語を楽しもう

次のページは7月15日まで続く、大宮八幡宮の珍しい七夕のお話です。
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