寺・神社/東京の寺・神社

連休お花見情報2 亀戸天神と浅草の藤(3ページ目)

東京には花自慢の神社や寺がたくさんあり、4月から6月くらいまで、次々に満開を迎えて楽しませてくれます。今回は、亀戸天神の藤祭りを見てから、浅草の穴場の藤見スポットに足を伸ばしました。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド


天神様は謎だらけ

今日もお参りの人が訪れます
全国各地にある天神様や天満宮に祀られているのは、学問の神、菅原道真公で、学業向上や合格祈願にご利益があります。「それは常識だろ」と皆さん思われるでしょうが、ではなぜ、菅原道真さんが学問の神なの? どうして天神様と呼ばれるの? そもそも実在の人物である道真さんが、神様として神社に祀られるようになったのはなぜなの?


学問の神だけど
日本一恐い怨霊でもある道真さん

波乱万丈の人生を送った道真さんですが、ここではかなりはしょってお話します。まずは第一の謎「なぜ道真さんは学問の神様なのか?」から。それはもちろん、道真さんが、頭がよくて勉強がよくできたからに決まっています。

亀戸天神の社殿


道真さんは9世紀の人。代々学者の家に生まれ、学者、文化人、政治家として能力を発揮しました。18歳で律令制度の国家公務員試験に合格、23歳でさらに上級の試験にも合格。なるほど、天神様にお参りすると試験に合格するといわれるのは、そういう理由からなんですね。

それから順調に出世し、醍醐天皇の時に右大臣にまで登用されました。ところが、現代の会社などでもよくあるように、出世しすぎで周囲のねたみを買ったため、九州の大宰府に左遷されてしまいます。道真さんは、その2年後に、無念の思いを抱いたまま亡くなり、平将門と並ぶ日本一恐い怨霊として華麗にカムバックしたのです。

神様として祀って
お怒りを鎮めるのだ

亀戸天神の絵馬は種類が多い
道真さんが亡くなると、京都では、天変地異が起きたり病気がはやったりと、尋常とは思えないできごとが相次ぎました。当時は、そういった異変は何らかのたたりによって起きると信じられていたので、人々は、「これは、道真の怨霊の仕業に違いない」と恐れました。これを鎮めるには神様として祀るしかないということになり、道真さんの怨霊は天神様という地位を手に入れました。

ところでその天神様とは何でしょう。道真さんの死後に落雷があって多数の死者が出ました。そのため、道真さんと雷が結びつきました。雷は、たとえば浅草の雷門の雷神を見てもわかるように神様です。「雷→雨→農作物の育成」という図式で、農耕民族であった日本人に欠かせないものだからです。そういった自然の森羅万象を司る神を天神と言い、それが次第に道真さんへの信仰と結びついて、菅原道真=天神様という考え方が定着したようです。はぁ、これでやっと謎が解けました。

天神様の境内に
牛がいるのはなぜか?

天神様に牛の像はつきものです
最後にもうひとつの謎。天神様と呼ばれる神社には、よく牛の像がありますが、それはなぜ? これももちろん、道真さんつながりです。道真さんの干支は丑年である、道真さんが大宰府への左遷される時、牛が泣いて見送った、道真さんは牛に乗り大宰府へ下った、などなど、道真さんと牛にまつわる伝承が数々あるそうです。

亀戸天神にも、当然、牛がいます。こうした牛は、ご利益が欲しいところを撫でると効果があるというので、「撫で牛」と呼ばれます。ちょっとでも頭がよくなりたい人は、この牛の角や頭を撫でてくるとよいらしいですよ。



境内では、屋台の焼き鳥がお勧めです
■亀戸天神社
・所在地: 東京都江東区亀戸3丁目6番1号
・交通・アクセス:JR亀戸駅より徒歩15分
・地図:Yahoo!地図情報
・ TEL:03-3681-0010
・ HP亀戸天神社
・拝観料 無料

次のページでは亀戸名物の「くず餅」を食べ、バスに乗って浅草まで足を伸ばし、秘密の藤見スポットにご案内します。
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