精霊棚なし、迎え火&送り火なし、盆提灯なしの宗派
お盆は旧暦7月15日を中心に、日本全国で行われる行事です。ご先祖の霊を向かえ、追善供養をする期間といわれ、お盆前になると精霊棚や提灯、おがら、地域によってはほおずきやそうめんなどの準備をはじめます。しかし、浄土真宗では、基本的にお盆独特の飾りはありません(地域によっての違いはあります)。迎え火や送り火の習慣もありません。供物などの準備はしますが、精霊棚もなければ、ナスの牛やキュウリの馬を飾ることもありません。ご先祖は浄土で仏様となっているので、霊となってあっちの世界やこっちの世界をウロウロしているということはなく、お盆の時期だからといって特別に戻ってくることはない……というのが浄土真宗の考え方。だからといって、お盆行事をおろそかにしているということではありません。ご先祖様を尊ぶ気持ちは皆同じ。命をいただいたご先祖、そして仏様に感謝をするという意味で法要が行われています。
お盆の言い伝えについて
お盆に特別な準備をしないなんて、「例外」のような感じもしますが、実は浄土真宗は日本で一番門信徒数が多い宗派なんですよ。
浄土真宗のお盆Q&A
Q:親戚が盆提灯を送ってくださるというのですが、浄土真宗なのでお断りしたほうがよいのでしょうか?
A:
浄土真宗では基本的に盆提灯を飾る習慣はありませんが、だからといって親戚の方の心遣いを無理に断ることもないでしょう。盆提灯のかわりに、切籠灯籠(きりこどうろう)を吊るすこともあります。
盆提灯についての詳しい情報は→こちら
Q:
仏壇には何を飾ったらよいですか?
A:
お盆が近くなったら、仏壇や仏具の掃除をします。内敷(うちしき)をかけ、華瓶(けびょう)には樒(しきみ・しきび)を飾り、供物は餅、菓子、果物をお供えします。香炉・ロウソク立て・花立ての三具足(みつぐそく)のセットも忘れずに。仏教を象徴するハスの花をお供えするのも良いですね。
お盆に限ったことではありませんが、浄土真宗では仏壇にお茶やお水をお供えすることはありません。ご飯をお仏飯としてお供えします。お供えしたお仏飯は無駄にせず、お参りをすませたらいただきましょう。
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