地蔵盆とは、夏の終わりを告げる子どもが主役の行事

地蔵盆が過ぎ、そして夏が終わる

地蔵盆が過ぎ、そして夏が終わる

長い夏休みも終わりにさしかかるころに行われる「地蔵盆」。みなさんは、この行事についてご存知ですか?
 
京都、大阪、神戸など、関西地域を中心に行われるもので、主役は子どもたち。発祥地である京都では、町内ごとに地蔵尊の前に屋台を組んで花や餅などをお供えし、ゲームなどの遊び、福引きなどを楽しみます。私が住む阪神間でも、近所にまつられているお地蔵さんがおしゃれに着飾ってもらっています。

今回はそんな地蔵盆について、詳しくご紹介します。
  
【地蔵盆・目次】
地蔵盆の時期・行われる地域
地蔵盆の内容
地蔵盆のいわれ
関東地域には定着しなかった地蔵盆
地域ごとに独自の風習を持つ地蔵盆
 

地蔵盆とは、いつ・どこで行うもの?

■地蔵盆の時期
基本的に地蔵盆は、8月は23、24日の地蔵菩薩の縁日を中心に行われます。しかし、準備する親や地域の方たちの都合によって、この日の前後の土曜日から日曜日にかけて行われるところもあります。また最近では、子どもが少なくなったため、2日間の開催を1日だけに短縮する場合もあります。

■地蔵盆の行われる地域
地蔵盆は京都生まれで、近畿地方の行事として古くから行われてきました。また、北陸地方や新潟、信州では長野市周辺で盛んに行われていますが、東海や関東には、ほとんどないそうです。
 

地蔵盆とは、何をする行事?

子供たちの無病息災を願うお地蔵さん

子どもたちの無病息災を願うお地蔵さん

地蔵盆の主役は、子どもたちです。冒頭でもお伝えしたとおり、行事の発祥地・京都では、町内ごとに地蔵尊の前に屋台を組んで花や餅などをお供えし、お菓子を食べながらゲームなどの遊び、福引きなどを行います。
 
また数珠繰り(じゅずくり)や数珠回し、といって玉が大きくて長い数珠を子供達みんなで回す儀式をします。その時に大人もその輪の中に入り、自分たちも経験した思い出を胸に子どもたちと一緒に数珠を回します。 

大阪では地蔵盆には地車がでたり、神戸では子どもたちがお地蔵さんめぐりをして、町内の人からお菓子をいただいたりします(お接待と言います)。また数珠繰りはしないところもあります。 

私の住む地域では、各家庭の子どもの名前が入った提灯を地区の会館前に吊ってもらい、8月23、24日の2日間、その提灯の下で盆踊りを行います。そして子どものいる各家庭にお菓子が配られます。 
 

地蔵盆のいわれ

地蔵盆とは、子どもの守り佛として古くから信仰されていました。お地蔵さんは民間の信仰の神様でしたが、仏教に属する地蔵菩薩であったようです。この地蔵菩薩はお釈迦様が入滅してから未来仏の弥勒菩薩がこの世に現れるまで、人間界のみにあらず地獄・飢餓・修羅・畜生・天といった六道すべてにおもむき、人々を救済しました。

平安時代以降に阿弥陀信仰と結びつき、地蔵信仰が民間に広がり、道祖神と同じように村を守る役割も果たすようになります。そして、地獄の鬼から子供を救うとして子供の守護神ともなり、現在にいたっています。

そこから全国に地蔵菩薩が広がり、それぞれの道端にも石地蔵が見られるようになったのです。しかし地蔵盆のように盛大にお祭りするところは、主に関西周辺に限られています。 
 

関東地域には定着しなかった地蔵盆

地蔵盆は、なぜ関東地域に定着しなかったのでしょう。それは、地蔵信仰の歴史のちがいによるもののようです。京都では室町時代に地蔵盆が大流行しましたが、東京では江戸時代になって、やっとお地蔵さんが作られたのです。その上、江戸にはお稲荷さん信仰が盛んだったのです。 
 

地域ごとに独自の風習を持つ地蔵盆

地蔵盆は、子どもたちにとって夏休み最大にして最後のイベント。地蔵盆が終わると、夏休みも残りわずかです。その頃には、あんなにうるさかった蝉の声はいつのまにか聞こえなくなり、空には入道雲から秋の雲に変わりつつ、夏の終わりの寂しさだけが残ります。

特に、近畿地方の人はこの習慣を全国的なものと思っている方も多いと思いますが、違うのですね。また、住んでいる地域によっても昔ながらの習慣を受け継ぎ、いろいろ違っているようです。

子供がいない地域では、年配の方だけで、地蔵盆を開いていたところもあったそうです。少子化問題に悩む現代社会では、習慣も時代と共に変わりつつありますが、失われつつある地域社会の行事を守っていくためにも、この「地蔵盆」、大切に受け継がれていってほしい習慣です。 

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