4月8日は何の日?
4月8日は何の日?
4月に行われる「はなまつり」
たくさんの花で飾られた小さなお堂「花御堂(はなみどう)」。はなまつりのときだけ飾られます。 |
このお祭り、お釈迦様の誕生をお祝いするもので、お寺が中心となって開かれます。灌仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、降誕会(ごうたんえ)、浴仏会(よくぶつえ)、龍華会(りゅうげえ)などとも言われ、お誕生日である旧暦4月8日前後に開催されます。
はなまつりには、花で飾った花御堂(はなみどう)という小さなお堂がつくられます。お堂の中には甘茶で満たされた桶が置かれ、その中心には右手を上に、左手を下にした誕生仏という仏像が安置されます。お参りするときには、柄杓(ひしゃく)を使って誕生仏の頭へ甘茶をかけてお祝いします。
「天上天下唯我独尊」とは?
お釈迦様が誕生したときの姿「誕生仏」に甘茶をかけてお参りします。 |
お釈迦様が誕生したとき、天から甘い露が降り注いで身体を清めました。するとお釈迦様はすぐに立ち上がり、7歩進んで右手で天を指し左手で大地を指し、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と言ったそうです。
これは、「この世に自分より尊いものはない。つまり人間ひとりひとりが一つしかない命をいただいている尊い存在である。」いうことを意味しているのだそう。このときの立ち姿が後に誕生仏といわれるようになりました。
ちなみに、花御堂はお釈迦様が生まれたルンビニ園の花園を、甘い露は神々の祝福をあらわし、7歩進んだことは、六道、つまり「地獄道」「餓鬼道」「畜生道」「修羅道」「人間道」「天道」という輪廻(りんね)の世界を超えたことをあらわします。
はなまつりで代表的な、白い象と稚児行列
稚児行列の参加費用は1000円~8000円とお寺によって異なります。参加できるのは2~3歳から小学校低学年くらいまで。 |
その先頭を歩くのは白い象。これは、お釈迦様のお母さんであるマーヤ夫人の夢の中に、六本の牙をもつ白い象が現れ、お釈迦様の誕生を予言したという逸話にもとづいたもの。
稚児行列ははなまつりだけでなく、お寺の他の行事でも行われることがありますし、神社のお祭りでも見かけることがあります。意味は「無病息災を願う」「子供の成長に感謝する」「小さな子供は大人よりも心が清らかで祭礼奉仕をするのに適している」など諸説ありますが、子供達がキレイな衣装を身につけて、平安貴族風お化粧をしている姿は、あまりの可愛さ&可笑しさに自然と顔がニコニコしてしまうもの。お祝の席を盛り上げるのにぴったりの光景です。
中には慣れない着物や冠・烏帽子を付けてグズッている子もいますが、これも愛嬌。お稚児さんのお化粧は、額に「位星(くらいほし)」といわれる黒丸記を入れ、鼻筋を白く塗るのが一般的。唇はおちょぼ口風の真っ赤な口紅……なんとも微笑ましい子供達の姿ですね。
はなまつりでは、気軽に足を運べるようなイベントが目白押し
子供向け遊具や戦闘モノのショーなど、デパートの屋上を思わせる子供向けイベントを開催しているところもあります。 |
たとえば、コンサートやライブ、ミュージカルや演劇を本堂で行うお寺もあります。お琴や雅楽の演奏は大人向け、また茶道とかかわりのあるお寺も多いので、お茶会が催されることも。宗旨・宗派を超えて近隣のお寺が交代で、はなまつりのイベントを担当し、町ぐるみで盛り上げている地域もあります。
仏教徒が多い日本人、「キリストの誕生日は知っているけれど、釈迦の誕生日は知らない」ではちょっと恥ずかしいかも……。今年はぜひはなまつりの行事に足を運んでみては?
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