神葬祭に関するQ&A
日本人に馴染みのある神道ですが、神葬祭となるとお墓の問題、先祖供養の問題等があって普及しにくいのが現実です。 |
先祖代々お寺にお墓があります。でも私は神葬祭を希望。どうしたらいい?
A:
先祖代々の宗旨・宗派ではなく、自分だけが別の宗教で葬儀をしたいと希望する人は多いですし、可能です。しかし、問題はその先。別の宗教で葬儀を行ったとなれば、お墓は菩提寺でなく別の場所で探さなければなりません。神社内にお墓はありませんから、「宗旨・宗派問わず」を掲げている霊園・墓所を探すことになります。お墓は別になったとしても、先祖代々のお墓がまだ存在しているわけですから、菩提寺とのお付き合いの関係を上手に保てるように、あらかじめ身内・親戚間で話し合いをしておくことが必要です。
Q:
神道では、戒名にあたる死後の名前はあるの?
A:
神道の場合、「諡名(おくりな)」「諡号(しごう)」と言われる名前がつけられます。戒名のように氏名とは違う異なる名前がつけられることもありますが、多くは氏名の下に「之霊」「命(みこと)」「命霊(みことのれい)」「霊位」をつけるだけの場合がほとんど。また、男性は「大人命(うしのみこと)」女性は「刀自命(とじのみこと)」などをつけることもあります。
Q:
仏式の法要に代わる神道儀礼について教えて!
A:
葬儀が終わると、初七日法要、四十九日法要があって、一周忌法要を迎える……、というのが仏式で葬儀を行った場合の一連の法要の流れ。
神道の場合はどうなるのでしょう。
神道の場合は法要とは言わず、霊前祭と言いますが、それ十日ごとが基本となります。
・翌日祭(葬儀の翌日)
・十日祭(帰幽(きゆう「亡くなった日」)から10日目)
・五十日祭(50日目)
・百日祭(100日目)
・一年祭(一年後)
※二十日祭、三十日祭、四十日祭を行う場合もありますが、現在はほとんど省略されています。
ちなみに、仏壇のかわりに安置するものを祖霊舎(それいしゃ)といいます。霊璽は五十日祭の翌日に清祓い(きよはらい)を行い、その後、祖霊舎にうつします(それまでは仮の御霊舎に置く)。
人生の節目節目でお世話になる神社ですが、神葬祭となると馴染みがなく聞きなれない言葉も多いですね。しかし、仏教も神道も「祖先を敬い手を合わせる」という基本は同じ。その精神は大切にしたいものです。
【協力】
・駿台トラベル&ホテル専門学校 ライフステージ・プロデュース学科
【参考資料】
・神葬祭の栞「神社本庁」