通夜・葬式・火葬の手順/葬儀の手順・手続き

お葬式、故人らしさが出る生花祭壇(2ページ目)

お葬式の花は菊が定番でしたが、最近は季節の花や草木で飾った祭壇が人気急上昇中です。例えば春なら桜、夏はヒマワリなど。生花祭壇はアレンジが自由なので故人の趣味を表現したり、山や海を表す祭壇もできます

吉川 美津子

吉川 美津子

葬儀・葬式・お墓 ガイド

葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタント。葬送・終活ソーシャルワーカー/社会福祉士。大手葬儀社、墓石・仏具店で実務を積み、専門学校の葬祭ビジネス学科を運営。その後、葬儀ビジネスに関するコンサルティング業務を開始。講演は「終活」「葬儀」「お墓」関連年間50本以上。メディア掲載・出演実績は500本以上。

...続きを読む

生花祭壇なら供花を組み込むこともできる

供花代金を充当することができるので、場合によっては生花祭壇のほうが費用負担を軽減できることもあります
生花祭壇の場合、いただいた供花はどのように並べられるのでしょうか。祭壇の両脇に並べることもありますが、祭壇と同じデザインの花で統一し、祭壇内に供花を組み込んでしまう方法もあります。その場合、一基ごとに名前を書いた札を立てることができませんので、芳名板という大きな板に名前を書いた札を並べていくことになります。生花祭壇の場合は、このように供花を組み込むことができるので、最近では費用を少しでも軽減しようと、供花に相当する費用を生花祭壇費用から引いて算出してくれる葬儀社も増えています。

例えば、50万円の祭壇費用を支払って、1万5千円分の供花を10基いただいたとします。白木の祭壇の場合だと、50万円の祭壇の両脇に5基ずつ段々に飾られます。生花祭壇の場合は、供花を充当して35万円の祭壇費用+(1万5千円×10基)=50万円分の生花祭壇をつくることもできるのです。

つまり、遺族側の祭壇費用の支払いは35万円。代金を充当するという考え方なので、葬儀社で一括して供花の注文をいただいた場合のみに活用できるシステムですが、このように白木祭壇よりも生花祭壇のほうが費用負担を軽減できることもあります。

ただし、供花組み込みシステムを採用していない葬儀社もありますので事前に確認をしてください。また、現物でいただいた供花の場合はデザインが異なるので組み込むことが難しく、従来のように両脇に並べたり、別の場所の装飾に使ったりするようになることも少なくありません。

生花祭壇のよさは、その人らしさが祭壇で表現できること。いつもなら何気なく見過ごしてしまう祭壇でも、生花祭壇なら参列者が個々に故人や遺族の思いを感じとってくれるかもしれません。


【関連記事】
・お葬式の費用についてもっと知りたいなら……
お葬式の費用の仕組み。どうなってるの?

・生花花壇以外の葬儀のオプションについて知りたいなら……
葬儀費用のかさむオプションは必要?




【豆知識】葬儀とお花の関係はネアンデルタール人の時代から

葬儀にお花をお供えするという習慣ですが、5~6万年くらい前にはすでに行われていたと言われています。イラクのシャニダール遺跡はその頃のネアンデルタール人の遺跡ですが、ここで発見された遺体のまわりにはたくさんの花粉が発見されています。

しかも、それらはムスカリやヤグルマギクなど美しい花をつける7種類の花粉だったとか。一連の調査を行ったアメリカの人類学者ラフル・ソレッキは、この研究を「The First Flower People」という本に記し、野蛮な原始人といわれていたネアンデルタール人観を払拭したと言われています。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

カテゴリー一覧

All Aboutサービス・メディア

All About公式SNS
日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
公式SNS一覧
© All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます