同じアジアとはいえタイと日本、国が違えば当然のことながら文化も習慣も違います。日本の習慣を持ち込んでトラブルになってしまうというのも、よく聞く話。事前に日本人がタイに訪れる際に知っておきたいこと、気をつけたほうがよいことを確認して、「知っておけばこんなトラブルは避けられたのに!」と後悔しないようにしたいですね。

同じ仏教国でもこんなに違う

タイ人男性は短期間でも人生に1度は必ず出家する(c)タイ政府観光庁
タイは国民の95%が仏教徒の国。タイの仏教はヒンドゥー教と精霊信仰の影響も受けている上座部仏教で、日本の仏教とは異なります(テーラワーダ仏教とも呼ばれています)。タイでは僧侶になると227にも及ぶ戒律を守らなければなりません。その戒律は歩き方、食事作法、女性に触れてはいけない、など生活全般に及ぶ厳しいものなのです。もちろん結婚も許されていません。仏門に入りこのような厳しい修行を積む僧侶は、国民から深く尊敬されている存在。一般的にタイ人は日本人よりも信仰心も深いと言われていて、定期的にお寺に喜捨をしに行くなど、生活にも密着しています。

そんな僧侶に対して、外国人が気をつけておきたいことがいくつかあります。まず、僧侶は女性に触れてはいけないとされているので、たとえ外国人であっても、身体に触れてはいけません。気軽に話しかけることも避けておいたほうがよいでしょう。また、BTS(スカイトレイン)や地下鉄などの公共交通機関に僧侶が乗ってくることもあります。その場合、たとえ僧侶の隣の席が空いていても、女性は座ってはいけません。また、タイ人にとって足は身体の中で一番不浄な場所とされているため、僧侶が通る道に足を投げ出したりしない、などの配慮も必要です。もちろん僧侶以外のタイ人にも足で身体を蹴る、物を指すなどということも失礼な行為にあたります。旅行でタイを訪れる日本人は、タイ人の信仰心に対して敬意を払うことを忘れずにいたいものですね。

タイ国民にとって「国王」とは

国王の誕生日が近づくと街のいたるところに肖像画が飾られる
タイの人々は仏教だけでなく、王室にも深い尊敬の念を抱いており、王室は彼らの誇りでもあります。そのため王室を批判すると不敬罪に問われることも。映画館では開演前、スクリーンに国王の肖像画が映し出され、国王賛歌が演奏されます。その間、観客は全員起立をして静聴しているのです。また、官庁、駅、学校、公園など公共の場所では、午前8時と午後6時に国歌が流れます。この時にも、近くを通るタイ人は歩くのを止め、清聴しています。更に、タイではよくどんなに小さな店でも、王室の写真が壁に掲げられていますが、人の目線より下や王室以外の写真の下に貼ることは絶対にしません。

たとえ外国人でもタイにいる限り、タイ王室を侮辱する言動、王室の話や批判は口にできません。実際に2007年は、スイス人の男性が国王のポスターに黒ペンキをスプレーするなどして、不敬罪に問われたことがありました。また、紙幣も国王の顔が印刷されているので大切に扱いましょう。いかに小さなことでも王室に関する批判はタブーであることを覚えておいてください。

次のページはタクシーに乗るときに気をつけたいことです。